翔んで流星街！【H×H】 (ページ23)

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翔んで22話ページ23

ヨークシンシティに来てから1ヶ月ほどが経った。

情報収集に勤しむA達であったが、中々思うような情報は得られないでいた。

数人かプロハンターにも出会ったが、知らないという者や名前を聞いたことはあるがあまり素性の知れない人物であるということしかわからなかった。

『ダメだ～手詰まり感ハンパない…。』

「ここに来れば何かわかるかと思ったんだがな…。すまねえ、力になれなくてよ。」

『なんで謝るのよ。むしろ私の方が謝らなきゃいけないのに。』

この世界に飛ばされてからウヴォーギンにはずっと世話になりっぱなしである。

本人は忘れたと言っているが、自分の用事を後回しにしてまで祖父の情報集めに協力してくれているのは薄々気づいていた。Aも流石にいつまでも私事に付き合わせるのは申し訳ないと思い始めていた―――――

その時、ウヴォーギンのスマホに着信があった。

「もしもし。…だ、団長？！…いや、ノブナガだと思ったもんでよ…。…今すぐだと？！…すまねえ団長、今はまだ…」

ウヴォーギンは申し訳なさそうに、チラリとAに目をやった。
何を話しているのかはわからないが、急ぎの用事であるのは間違いない。

一区切りするのにいい機会だ―――――

『…ウヴォー、大事な用事なんでしょ。行ってあげて。』

「でもよぉ…」

『私なら一人でも大丈夫だから。それにフェンリルもいるしね。』

誰かといるのか、と言う声が微かにスピーカーから聞こえてくる。
さあ早く、と促すようにAは頷いてみせた。

「……別に誰もいねえよ、今からそっちへ行く。…おう、わかった。」

静かに電話を切るウヴォーだった…。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「…A、本当に一人で大丈夫か？」

『大丈夫だよ、心配し過ぎ！早く行かないと怒られるんじゃない？』

「おう…。」

早く行くように促すけどなかなか行こうとしない。

…あ！ずっと一緒にいたからつい忘れてた！！

『ウヴォー待って！私の連絡先登録しておいて！ついでにLINEも！！』

「お、おう！……これでいいのか？」

『うん、オッケー！これでいつでも連絡取れるね。』

一気にウヴォーの表情が明るくなる。もしかしてこれを待ってたのかな？？

「用が済んだらすぐ戻るからよ！じゃあ行ってくるぜ！！」

わわ、一瞬で見えなくなった…。

ウヴォーを見送った後、ふとスマホを見ると着信履歴が残っていた―――――