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テヒョンくんの出勤は明日からだそうで
今日はお客さんで来てみたらAがいて
あまりにひたすら真剣に本を読んでいたから
オーナーとみさとさんに、しい、と黙っていてもらい
離れて暫く見ていたそうだ。
「えっ、それ恥ずかしいっ、声かけてくれて良かったのに。」
果たしてどんな顔して読んでたかも分からないと焦るAに
「あまりきれいで、
しゃしんとりたくなりました。」
またさらりと言われてしまい、
本当に綺麗な人にきれいと言われるとどうしたら良いか分からなくなるものだと痛感する。
2人でミルクレープを分け合う。
バニラビーンズがふんだんに使ってあるアイスが
溶けかかってソースのようにクレープに絡む。
甘過ぎない甘さが喉を伝う。
「にほんの、いろいろ、とっておくために
かんこくからカメラもってきました。」
「あ、写真、撮ったらまた見たいな。」
Aはひまわり畑の家を思い出す。
飾られた壁一杯の写真を思い出す。
「とるの、ずっとしてなかったけど、
Aちゃんといると、すきだったもの、いろいろおもいだす。」
テヒョンくんが視線を落とす。
「あきらめたものも。」
そう言って、沈黙、となる前に
「Aちゃん、すごい。」
ぱっと顔を上げてテヒョンくんは微笑む。
「私は…何もすごくないよ。」
そうしか答えられないAは
この人の本当に幸せな顔を見たことがあるのかなと考えてしまう。
考えて、浮かぶのは、あの時の…
からん、
「ありがとうございましたー！」
みさとさんがお客さんを見送る声に、気付くと16時。
昼のクローズの時間だ。
そうだそろそろ帰らないとと思ったAに
オーナーが声をかける。
「テヒョンくんのコーヒータイムにまだつきあってあげてくださいな。」
見ると、藍色のカップにはまだあと半分、コーヒーが入っている。
「オーナーありがとうございます。」
テヒョンくんがにこにこしながら言って、
またコーヒーを舐めて、わあ、と苦い顔をする。
きっと実際本当に慣れない苦さで
毎口、新鮮な反応をみせるテヒョンくんが可愛くて
ここが人前でなければAは、ぎゅううと力一杯に抱き締めていただろう。
「Aちゃんよんでたの、なにのほん？」
そうとは知らないテヒョンくんはテーブルに置いたままだったそれを指差す。
掻き立てられる抱き締めたい衝動を抑えながら本を手に取る。
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おけ(プロフ) - 一気に読みました‼︎面白いです！更新待ってます‼︎ (2022年1月17日 18時) (
レス) @page33 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
みたろう(プロフ) - このお話大好きで何度も読み返しています。更新楽しみに待っています。 (2021年12月19日 2時) (レス) @page33 id: a75885931d (このIDを非表示/違反報告)
みあも(プロフ) - 途中途中泣きながらここまで一気読みしました。切なすぎて苦しいです(; ;)更新楽しみに待ってます！二人が幸せになれますように！！ (2021年4月30日 7時) (レス) id: 2123f5cbc8 (このIDを非表示/違反報告)
ララ - 1からここまで、イッキ読みでした！本当に、キュンキュンするだけじゃなくて、お話そのものが綺麗で、大好きです！ラスト更新、ずっと楽しみにしています！ (2021年1月31日 11時) (レス) id: 0d04b07c3e (このIDを非表示/違反報告)
ナナ - 素敵なお話にどんどん引き込まれて、1話から一気に読んでしまいました。読めば読むほど2人の未来は？！2人の幸せは？！と気付けば涙腺まで揺さぶられました。ラスト、2人の幸せを願いながら待ってます！ (2020年12月9日 6時) (レス) id: 57a24d82e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽるこ
| 作成日時：2019年8月25日 16時
