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ホテルの受付では
英語と、簡単な韓国語なら話せるあやの様に
なんなく対応して頂き
思ったより広い部屋にそれぞれの荷物を置いて
また外へ出る。
ソウル駅前には街路樹が並び
蝉の鳴く声が響き渡る。
日本で聞くそれとは少し違う鳴き方を聞きながら
もらった名刺を頼りに小道に入っていく。
日本でいう古民家の様な佇まいの店に着くと
他にもお客さんがいる中、何故か奥の個室に通してもらい
注文する前に料理が運ばれてくるから焦ると
「きょうは、これ、じぇんぶサービスですねー。」
店主であろうエプロン姿の女性が
テーブルに皿を並べながら辿々しい日本語で話してくれる。
「うちの、おとくいさんから、サービスね。」
そこで漸くはっとなるA。
空港で出会っただけのあの人が
何故ここまでしてくれるのか先回りして店に頼んでくれたというわけで
そのサービス精神と立ち回りの早さ、
やっぱり出来る。
そう思ったのは他の2人も同じの様で
「ナイスガイね。」
あやのの呟きに頷き
見ず知らずの外国人にここまでしてくれた"ナイスガイ"に感謝しながら手を合わせる。
「いただきます！」
小皿に並んだ数種類のキムチやナムルの盛り合わせ
参鶏湯
甘辛いチキン
もっと辛いイメージがあった本場の味は思ったよりマイルドで食べやすい。
思う存分味わって
店員さん達にお礼を告げ
ナイスガイが次に来店した時のご飯代を託そうとしたが
「だいじょぶ、オーケーオーケー。」
店主に豪快に笑われてしまい、受け取ってはもらえなかった。
あやのは夜まで仕事の" 野暮用 "があるらしく
「何かあったら即連絡すること。
ひたっすら不安だわ。」
と言いつつも呆気なく置いて行く。
夏の日差しの照りつける中、
残された2人。
Aは肩に下げたバッグからおもむろに
「味わい尽くす！初めての韓国」と題するガイドブックを取り出す。
到着日の今日はソウル、
夜は明洞に行こうという実にざっくりとしたプランだけで。
ただ、行きたい、という勢いだけで来た為に
宿泊先と行き帰りの飛行機以外の物理的な準備は
これといって出来ていない。
「…化粧品、見に行きたいね？」
「はい。せっかくの韓国ですからね！」
そう互いに意思を確認し合う。
その時、
栗野さんの携帯が
震えだした。
.
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ミキ(プロフ) - えっ、えっ！ぽるこさん、私なんかにそんなお言葉(感涙)…冥土の土産にしますっ！6章のラスト！！大好きな感じですっ。ぽるこさんの言う、勝手に登場人物達が動いてる感覚？言葉が降りてきてるのですね！まさに神がかってる！噛み締めて読んで、余韻に浸ってます♪ (2019年8月25日 23時) (
レス) id: be38181257 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - リオさん» まだ楽しめる、その様に受け止めて頂けましたか…涙。一体いつ終わるのかと作者すら感じている中なんだか救われました。ある意味生きもの、正にそれです。要は作者が1番楽しんでるのです。とても素敵な目の醒めるコメント、感謝します。 (2019年8月25日 16時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 次章もまだまだ楽しめるんですね！うれしいです！作者様の仰る事分かります。登場人物が勝手に動くというやつです。この作品読んでると脳内で勝手に映像化されますもん。ある意味生きものなのでしょうね。それぞれに心がありますし。とても素敵な作品ですね。 (2019年8月25日 9時) (レス) id: ba173bb279 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - ミキさん» ミキさんの綴るお話が読んでみたいと思う作者です。いつも胸に響くコメントの文面、作者には勿体無い位。温かい応援をありがとうございます。最終章でお待ちしてますね！ (2019年8月25日 1時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - マミさん» 作者も、早くラストを迎えたいような迎えたくないような、そんな中亀のように進めております。温かいコメントを胸に更新頻度を上げつつ突き進みますね！ありがとうございます！ (2019年8月25日 1時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽるこ
| 作成日時：2019年5月20日 19時
