検索窓
今日:2 hit、昨日:21 hit、合計:272,908 hit

3 ページ19

「グギはおんなのこにはきほんはやさしいけど、ひつよういじょうにはしないし、
そこらへんうまくかわすからね。
ドライなとこもかくさないし。
テヒョンは、」


そこまで言うと一旦止まって、Aを見る。
言っていいかな、という意味だろうと解釈したAは頷く。


「テヒョンは、だんじょ、かんけいなく、やさしいし、ひとあたりいいし、ひとなつこいからね。
ぼくはこうみえてじぶんからすきにならないと、だめ。
でもテヒョンは、むけられた"こうい"はうけいれてた。


だからテヒョンには"とくべつ"なんてないかとおもってたんだけどね。」


「…」


「これいじょうはいわなくてもわかるよね。」



食堂街の中のレストラン。
隣のテーブルに案内され座ったカップルが
「お腹空いたー」「何食べる?」
と話し出し

おお日本人だ、と
この旅行で実は初めて遭遇した日本人にAは少し嬉しくなる。


「Aちゃんにちゃんと、むけられたやさしさがとくべつなものだってつたわってるみたいだから、
テヒョンはむくわれてるね。」


そんな風に言われてくすぐったくなる。


Aは、どうしようと思う。

無性に会いたくなってしまったのだ。



「いまテヒョンにあいたいってかんがえてるでしょ。」


ずばり言い当てられ自分は一体どんな顔してたのかとばっと顔を上げると
ジミンくんの左耳に小さなリングのピアスが2つ光った。


「グギからカトクきてた、ちょっとまってね。」


携帯を手にしたジミンくんはスライドした指を止めて


「Aちゃん、グギたち、きょうかえらないみたいよ。」


「え?帰らない?」


聞き返すAに、何だか可笑しそうに目を細める。



「とまるみたいよ。あしたのひこうきのじかんまでにはかえす、って。」


別にイケナイことでは無いが、
Aは目が泳ぐ。



ピロンとAの携帯のLINEを知らせる音に
画面を開くと


[ Aさん、言い訳になるので何も言いません‼
ごめんなさいっ‼ ]


脳内にて音声でしっかりと再生されたそれは
栗野さんからだった。


「ぼくたちも、とまる?」


固まるAに
うそうそ、と笑うジミンくんは
そのまま、うーん、と小首を傾げる。


「あしたはぼくはあさからしごとだし、Aちゃんテグにひとりかぁ。
…テグあんないできるひといるけど、

あのヒョンはねぇ。」


「あのヒョンとは、」

Aはジミンくんにつられるかのように
小首を傾げる。



ー どのヒョンさんでしょうか。ー

.

待ち人は、来ない。→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (346 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1900人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミキ(プロフ) - えっ、えっ!ぽるこさん、私なんかにそんなお言葉(感涙)…冥土の土産にしますっ!6章のラスト!!大好きな感じですっ。ぽるこさんの言う、勝手に登場人物達が動いてる感覚?言葉が降りてきてるのですね!まさに神がかってる!噛み締めて読んで、余韻に浸ってます♪ (2019年8月25日 23時) (レス) id: be38181257 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - リオさん» まだ楽しめる、その様に受け止めて頂けましたか…涙。一体いつ終わるのかと作者すら感じている中なんだか救われました。ある意味生きもの、正にそれです。要は作者が1番楽しんでるのです。とても素敵な目の醒めるコメント、感謝します。 (2019年8月25日 16時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 次章もまだまだ楽しめるんですね!うれしいです!作者様の仰る事分かります。登場人物が勝手に動くというやつです。この作品読んでると脳内で勝手に映像化されますもん。ある意味生きものなのでしょうね。それぞれに心がありますし。とても素敵な作品ですね。 (2019年8月25日 9時) (レス) id: ba173bb279 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - ミキさん» ミキさんの綴るお話が読んでみたいと思う作者です。いつも胸に響くコメントの文面、作者には勿体無い位。温かい応援をありがとうございます。最終章でお待ちしてますね! (2019年8月25日 1時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽるこ(プロフ) - マミさん» 作者も、早くラストを迎えたいような迎えたくないような、そんな中亀のように進めております。温かいコメントを胸に更新頻度を上げつつ突き進みますね!ありがとうございます! (2019年8月25日 1時) (レス) id: 0ba6c9eae1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽるこ | 作成日時:2019年5月20日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。