あふれてしまう、そのまえに。〜2〜

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その日の帰り、店に寄って、

先日の酔っ払いを謝り、

オーナー特製のココアを飲んで、帰宅する。


店は相変わらず忙しそうで、


オーナーともみさとさんともゆっくりは話せなかったけれど


二人とも、

何も迷惑かけられてないから懲りずにまた飲みにきて、(みさとさんはウインク付きで)


そう笑って言ってくれた。



テヒョンくんはあたたかい人達と働いてるな、

テヒョンくんがあたたかい人だから、かな

なんて思いながら


ベッドに倒れこむ。


ちょうどその時、携帯が震える。



「もしもし、お母さん？」


たまにかかってくる母からの電話。


いい歳した娘が色々心配なのだろう。


ちゃんと食べてる？
ちゃんと寝てる？

聞かれるのはいつも同じこと。


父とは家を出てから会話をしていない。

母曰く、もう一度学生を強行したことを怒ってるのではないそうだけれど、

なんとなく、お互い、話しづらい。


人を綺麗にしたい、綺麗になった幸せそうな顔が見たい


その為の今。


知らない間に人から嫌われたり、悪意を向けられているなんて


しんどいなあ。



綺麗な世界が、ただ、綺麗なわけじゃない。


頑張れ、A。


へこむな。前向け。


そう頭では分かるのに


心はついていかないまま。



そんな週のはじまりだった。

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