第六訓 ページ8
「副長オオオオオオ！！葵さあああああああん！！」
「局長が女にフラれたうえ、女を賭けた決闘で汚い手使われ負けたってホントかァァ！！」
真選組屯所は今、この話題で持ちきりだ
何の話かと言うと、本当にそのままだ
私も副長と見回り中に一緒に局長が河原で倒れているところを見た
負けたことは事実だと思われる
ただ、その噂が回ってしまうことは局長のメンツが潰れてしまうのだ
大変まずい、それは避けたい
「あ？くだんねェ噂だ、振り回されてんじゃねェ」
「誰情報ですか？｣
「沖田隊長がスピーカーでふれ回ってたぜ！！」
のだが、案の定隊長は歩くスピーカーとなっていた模様
溜め息混じりに彼を見る
「お俺は土方さんにききやした｣
ニタァっと笑う隊長
狙いはそこだったらしい
対して副長は隊長に話したことを隣で反省している
副長は信じて話したのだろうが…全く……←←
しかし、隊士達は副長の漏らした言葉を聞き逃すことはなくキレ気味に叫ぶ
副長もキレるな、これは←←←
そっと耳に手を当てる
「うるせェェェぁぁ！！
会議中に私語した奴はァ切腹だ。俺が介錯してやる。山崎…お前からだ」
「え゛え゛え゛！？俺…何もしゃべってな……」
「しゃべってんだろーが現在進行形で」
怒ったときに困るのはシャウトだ
いつも隣で聞いている身にもなってほしい←
とりあえず、理不尽な理由で山崎さんが可哀想なので副長を止めに行くか
「副長、タバコ吸って落ち着きましょ·····ーー」
そのとき、私の言葉を遮るように奥の襖がガラガラと開いた
やって来たのは、左頬が腫れ上がった局長だった
局長、バッドタイミングすぎます←
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
