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すれ違う人は多様で千鳥足の人、めかした男女、疲れた顔をした会社員らしき人
それぞれが何かを思い、考えながら私の横を通り過ぎていく
他人のことなんて気にしない
今の私にはそう言っているように思えてしまった
わたしの事情なんて知らなくていいから
少しだけでもこの痛みを知ってほしいな
なんて、自分から魅せられて来たくせに何を言ってるんだか
社会は他人の方が多くいて出来上がってるんだからそうなのはあたりまえだ
変に弱った気持ちを鼓舞して、再び歩みだした
そういえば、お腹が空いたかもしれないと気を紛らわして
たまたま目についた、近くにあった屋台に足を伸ばす
「へい!いらっしゃい!おっと、お兄ちゃん夜遊びかい?」
「まぁそんなところです」
「そういう歳頃だよね〜!俺が若い頃もよく夜中に家飛び出してたし
まぁ、とりあえず、そこに座りな
銀さんちょいと隣あけてくれや」
「おーう」
ずりずりと横に動いてくれた男の人に
ありがとうございますとお礼をしようと言葉にしていた途中で、あることに気づく、この人…
「んだ?座れねぇっていう文句は受けつけねぇぞ
痩せてから出直·····お前どっかで」
「私もそう思ったところです。お隣失礼します」
池田屋、近藤さんや土方さんと戦った、銀色の髪が特徴的な銀髪さんだった
多分、こちらには気づいてないだろうけど、それでいい
むしろ真選組の名前を出される前に自分で遮った
すぐに出来上がったラーメンをいただきますと一言呟いてからすする
「美味しいです」
「そりゃよかった」
「この平々凡々な味がいいよな」
「褒めてんだかよくわかんねぇ感想どうも」
実際のところ嬉しそうにしてるから照れ隠しのようなものなんだろうな
どうやらお二人の仲はいいようだ
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