・ 追記 2024/2/11 ページ50
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「えっと、えー、、あー…ぁ、ありがとう、」
『ええよ。君、動物もどきなん？』
こっちの感謝の言葉をさらっと受け流した女子生徒は、いきなり核心を突いてくる。そこは聞かんとこちゃうんか。
「あー、まァ…うん…」
『ふぅん』
たどたどしくも返せば、自分から聞いてきたくせにそれだけ零すと黙り込んだ。なんなんだ、どうするのが正解だったのか。
気まずくなって顔を逸らした時、静かに距離を詰められてすぐ傍まで顔を寄せられた。前髪の隙間から、よく熟れた苺のような深紅の瞳が見える。それを縁取る同じく真っ白い睫毛が酷く長くて、目に入らへんのかな、なんておかしな事を考えていればすん、と匂いを嗅がれた。
いくら救ってくれた恩人と言えども、いきなり体臭を嗅がれる謂われはない。慌てて身を引けば、そいつはくす、と上品に笑った。
『うちのわんこと同じ匂いするわ』
それは馬鹿にしているのか、揶揄いなのか。考えても考えても分からない。急いでローブの匂いを嗅いだが、いつも通り家の匂いしかしなかった。自分の匂いなんて分かるはずがない。
「な、え、、く、臭い…？」
『ンや。私は好きやで、お日様みたいなぽかぽかする匂い』
ふわ、と笑いながら放たれたその言葉に、俺はただただ顔に熱が集まるだけだった。
時間が止まったみたいに制止した俺を、そいつはしばし見つめていた。するとだいぶ離れてしまった列の方から「A〜？」「Aちゃんどこー！？？」というなかなかに大きい声が聞こえてきた。
するとそいつは、それに反応した。ローブのポケットから白いハンカチを取り出して俺の手に押し付けてくる。
『血、出てへんと思うけどこれで押さえとったらマシやろ』
「え、ちょ」
『またね』
困惑する俺を置いて、長い髪とローブを翻しながら列の方へと駆けて行った。
その背中をぼーっと見ていたが、自分もその列に追いつかねばならない事を思い出して慌てて走った。
列に追いついた頃には、救ってくれたそいつの姿を見失ってしまった。
A
真っ白な髪の女
恐らく自分と同じ新入生である"A"と呼ばれた少女にまた出会えないか、あわよくば同じ寮になれないだろうか、そんな事を思った。
手に残されたハンカチを握って、入学式の事なんて忘れてずっと考えた。
＿＿＿＿＿
話数が満杯になりました。
ここまで作者の 固定夢主×実況者 の妄想に付き合って頂きありがとうございました。
絶賛続編を作成中です。いましばらくお待ち下さい。
追記＿2024/2/11
続編作成致しました。良ければまた作者の妄想にお付き合い下さい。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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