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ひら、と手を振って自分と同じ1年生達の人波に入った。ぞろぞろ動く列の最後の方に着いて歩く。ふと振り返れば遠くの方で、エーミールが左右非対称の髪を揺らす青年と合流しているのが見えた。いつも通りのふわふわした笑顔を浮かべて、その青年と話している。
なんや、ちゃんとダチおるんか。安心した。
さっきまで心配性の彼を揶揄していたのに、自分も同じ事を考えた。
そんなふうにぼー、と歩いていた所為だろう、突然足元に現れた障害物に気付くことができずに転んだ。
少し前と離れて歩いていたため人の雪崩を起こす事にはならなかったが、両方の掌を石畳に擦った。じんじんと痛むそこに顔を歪めながら振り返れば、そこにはにやにやとわっるい顔を浮かべた男子が3人居た。
顔馴染みの近所の奴らだった。
「…なに、すんねや」
「いやぁお前狼だからさ、そっちの方が歩きやすいだろうと思って」
未だに勝負に負けた事を根に持っているのか、足を引っ掛けてきた主犯格のコイツは昔っから事あるごとに突っかかって来る。面倒ったらありゃしない。
普段はエーミールが傍に居て、いつもの柔和な顔を引っ込めて怒ってくるから、こんな直接攻撃はそうそう無い。
だから油断していた。
ぱっと立ち上がって仕返しの足払いでも食らわせてやろうかと考えた時、そいつの頭に何かが激突した。べちゃ、と粘着質な音を立てながらぶつかったそれは、つー、そいつの頭から頬、首元まで流れていった。
その色は見事な茶色。
見るからに泥だった。
「お"い！誰だよっ！！」
「ちょ、列から離れんのはまずいって…！」
「俺に泥ぶつけたのどいつだよ！！」
「あ、待ってよ！」
ばたばたと慌ただしく離れて行ったそいつらにぽかん、としていれば1人の女子生徒が近付いて来た。
ふわふわと広がった腰まで届く白髪が、黒いローブに流れていた。自分と同じもののはずなのに、純白の髪でもっとずっと上等なローブに見えた。
その姿に目を奪われていれば『大丈夫？』ところころ鈴が転がるような声で話しかけてきた。
「…ぁ、お、おん、、」
『そう。良かった』
目元まで覆う長い前髪の所為でその瞳は見えないが、口元には笑みを浮かべていた。
その顔を見て、いつまでも地べたに這っているみたいな状態を見られるのが異常に恥ずかしくなる。慌てて立ち上がり、買ったばかりのローブについた砂を払った。
・ 追記 2024/2/11→←魔法にかかる┊︎ハリポタﾊﾟﾛ
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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