魔法にかかる┊︎ハリポタﾊﾟﾛ ページ48
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「ほんとのほんとに大丈夫ですか…？」
「しつっこいなぁ。大丈夫や言うてるやんけ」
何十回目かの問いに辟易しながら答えれば「心配でしゃーないんやもん…」としょんぼりするこいつは、幼馴染のエーミール。年上でちっさい頃から兄貴分として遊んでくれている奴。大人しい性格故に下手に下手に回るこいつは、失礼だがあまり年上っぽくはない。
そんなエーミールがしきりに心配しているのは、俺の入学式だから。
俺より先にホグワーツに入学したこいつは一応先輩になる。うちの親に俺を見守ってやって欲しい、なんて話をしているのを聞いた。寮が違ったら土台無理な話だろうに。
俺はちっさい頃、近所の奴らと「"動物もどき"の魔法薬を作れるのか」という、至極子供っぽい頭の悪い勝負をした。勝負の結果は、見事俺だけが薬を作るのに成功して終わった。
そこで終われば良かった。
本当に出来ているのか、なんて言ってくる奴らの言葉なんか無視すれば良かった。
挑発に乗ってしまった俺は、完成した赤色の魔法薬を呪文を唱えて飲み込んでしまったのだ。我ながらアホすぎるとも思うが、仕方ない。子供の見栄っ張りが成した悲しい事故だ。
父親の書斎で見つけた本を元に作ったので、まぁしっかり完成していた魔法薬は効果を発揮した。
気付いた時には俺は狼の姿で足を地面に付けて立っていた。その場の全員が驚きで固まる中、通りかかったエーミールによって家へと連行され、そのまま魔法省に登録する事になった。
それ以来俺は、気が向いた時に狼の姿で近所を駆け回るような生活を送っていた。
「別にそんな心配せんでええっての」
「ゾムさんほいほい変身するんやもん。心配にもなりますって」
「わぁってるしー、」
親からもしつこく言われたそれに返事をすれば、適当に返したのがバレたのか「ほんまに分かってます？」と詰め寄られてしまい、「大丈夫やから！」と大声で返す羽目になった。
そんなふうにエーミールと話していれば、キングズ･クロス駅の9と4分の3番線を出たホグワーツ特急は、学校へと辿り着いた。
「じゃあ私こっちなんで」
「おぅ」
「ほんまに気を付けて下さいよ」
「しつこいなぁ。分かったって」
しっし、と手を振れば「ひどい！」なんてショックを受けた顔をした。お前こそそんなんで同級生にイジメられたりしぃひんのか、なんて言葉は喉の奥に引っ込める。
「…じゃあ1年あっちっぽいから行くわ」
「…式、頑張って下さいね」
帽子を被るだけだと彼から言ってきたのに。ほんまいつまで経っても心配性が過ぎる。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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