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初めて1人で外に出たAは少々の不安と、"はなかんむりを作る"という使命感とで胸中は綯い交ぜになっていた。ハウスを出た時も、一度振り返って扉を越えた向こうのゾムターを見つけて、異様に安堵していた。
ひとまず花が無ければ始まらない事は分かっているので、噴水の周りやそこらに生えている小さな野野花を摘んでいく。
白色、黄色、時々青色。
そこまで種類は多くなくても、花があればどうにかなる。Aはそう思っていた。
黙々と摘んでいき、両手いっぱいになった所で絵本を置いていた場所まで戻った。地面に摘んだ花を広げて、絵本の最後のページを開く。
何故、一絵本の最後ページに花冠の作り方が載っているのか不思議なものだが、Aにとってはどうだっていい事だった。
イラストで説明してある通りに、花を茎伝いに繋いでいく。
完成したそれは、自分が頭に乗せるには随分と大きくなり、ネックレスのようになってしまった。いざとなったら解いて小さくする事もできるようだったので、Aはきっと大丈夫だろうと楽観視していた。
少しだけ余ってしまった野花をどうしたものか考えたが、このまま放置しておくのは可哀想に感じた。迷った末にAは、閉じた絵本の上に花冠と余った花を乗せて、ハウスへと戻る事にした。
玄関からエントランスホールに入ると、たまたま通りかかったトントンが慌ただしくAの元へ駆け寄ってきた。
「A！？お前外出たんか！？」
『あ、とんちゃん。うん、お外出たよ』
「ど、どうやって」
Aは事の顛末をたどたどしくもトントンに説明した。自分よりも幼く、確立した話し方もできないAの話をどうにか理解した彼は、Aが悲し気な顔をしているのに気付いた。
「Aどしたん？」
『お花余っちゃったの。どうしよう』
自分が余計に摘んでしまったせいで、といった表情で困ったように、絵本に乗せた花を見つめた。Aだけが外に出れた事も気になるが、それよりも彼女が困った顔をしている事の方がトントンにとっては早急に対応せねばならない事であったため、花の活用先を考える事にした。
『お花、死んじゃう…？』
「死なん死なん！大丈夫やから！」
不安げな顔で自分を見つめてくるAをあやしながら、トントンは頭を回転させる。
花冠の余りであるため、残ったのは野花がほんの数本。これじゃあ花束にするにも、花瓶に生けるにしても数が少ない。追加で摘んでくるのも考えたが、花を摘んだ事を後悔しているAがこれ以上花を摘める気がしなかった。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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