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「ぴくとちゃんはね、お昼までお仕置き部屋にいないといけないからダメよ」
『、どうして…？』
「悪い事をしたから」
「だからママとお話するのよ」と目を細めてママは言った。口元は笑っていても目は笑っていなかった。冷徹に染まった瞳だった。
何故か自分も蛇に睨まれた蛙のように身体が固まるのを感じた。もう自分は子供ではないのに。
『そ、か…』
「だからAちゃんは、行くなら1人でお外に行かなきゃいけないの」
ママは目線を合わせるようにしゃがみ「できる？」と首を傾げた。その言葉にAは『う、うーん…』と考え込む。考えながらもじもじ指で絵本の表紙をなぞっている。
『で、でも…はなかんむり、作りたいの…』
「そぉ？」
「それじゃあママに花冠を作ってあげたら？」
「え？」
ふと思い付いたそれを口に出してみれば、ママは驚いた顔をした。対するAはぱぁ、と顔を明るくさせた。
『作る！私、ママにはなかんむり作る！』
「べ、別に私のためじゃなくても、」
『ママに作るのー』
日頃の感謝を伝えたいのか、ママに作ると言って聞かないAに、珍しくママは慌てた様子を見せる。「ママに作りたいものねー」としゃがんで聞けば『うんっ』と強く頷いた。
「もー…ゾムターまで…」
「いいじゃあないですか」
Aの頭をふわふわと撫でながら、ママに顔を寄せて小声で話し掛ける。
「Aちゃんなら外に出しても平気…そうですよね？」
「まぁ…この子は外にそこまで興味が無いようだし」
「それに、今回"ママに花冠を作る"っていう思い出ができる事も、悪い事ではないように思いますけど」
優しいママに花冠を作った。
そういう思い出がある事で、Aがハウスに対して悪い感情を抱く事も減る。もし、他の子達に唆されて外に出る事になったとしても、渋る要因になりえるはず。
なら、今日だけは外に出したって構わない。
こうして2人の思考は一致した。
「それじゃあ気を付けてね」
「あんまり森の奥には行っちゃダメよ」
『はぁい』
滅多に開かない正面玄関を開いて、Aを見送る。
足元の草にすら足を取られてしまうのではないかと思う歩き方だが、着実にハウスを離れて行った。しかし、結局は不安なのか入口近くにある噴水以上、外に出て行こうとはしなかった。
「ゾムターは一応窓からあの子を見ていて。私はぴくとちゃんの所に行くから」
「はい、ママ」
かつかつ靴音を鳴らしながら去って行く背中を見送って、窓からAが見える位置へ足を進めた。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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