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チーノの登場で固まっていた空気が動き出す。ロボロはAからチーノを引き剥がそうとするが、チーノは断固として拒否している。
ぎゃいぎゃい騒ぐ彼らを他所に、エーミールはひしひしと出していた圧を仕舞い、ゾムへ視線を向ける。
「…他の子らも集まって来るかもやし、私らはもう戻りますね」
「おー…」
背を向けたエーミール見て、ゾムはやっと自分の尾の膨らみが治まったのを感じた。
やはり
騒がしい羊達を教師の様に纏めるエーミールを見ながら、そんな事を考えた。
全員に促されるように背を押されていくAを見て、しばらくは会えないんやろうな、なんて思ったその時、Aがぱっと振り返った。
『ゾム、またね』
ふにゃりと笑いながら手を振るAに、どこまでも危機感の無い奴だと思いつつも、ゾムはひらりと手を振り返した。
遠のく羊達の背中を見ながら、そろそろ帰るか…なんて思った矢先、背後に複数人の足音を察知して振り返った。そこには自分の仲間である4匹の狼が居た。
「ゾムすーん」
「何しとんの〜」
「…シャオロン達こそ何しに来たん」
シャオロンと呼ばれたボーダー服の1匹がにやにや笑いながら寄ってくる。鬱陶しくなってその身体を押し返すが、構わずに柵にもたれ掛かる。
丘の向こうに消えて行く羊を目敏く見つけると、ゾムと同じく鋭利な爪の生えた指を伸ばした。
「あれ、次のお前の獲物？」
「……ちゃう」
獲物でない羊を見ていた事に驚いたのか、煙草をふかした1匹が驚いた声を上げた。
「え、獲物ちゃうのに見とったん？」
「俺腹減るから獲物以外見ぃひんのに…」
「おなじく」
意味が分からないといった様子の2匹にゾムは辟易した。お前らの食い意地が張っているだけだ、と言ってやろうとも思ったが、そんな気力もなかった。
そんなゾムに半ヘルを被った1匹が近寄る。
「でもゾムさん、あそこのいっちゃん白いのと仲良くしてますよね」
「…仲良くってか、懐かれただけやし」
「ええやないすか」
懐いてくれた方が食べやすいでしょ、なんてけろりとした顔で言うそいつにゾムは嫌な顔をした。そのゾムの顔を見て半ヘル狼は不思議そうな顔をする。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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