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銃を手元に戻した彼は、静かにこちらを見下ろしてくる。その顔は銃口を突き付けてきた時とは打って変わって、口元には弧が描かれていた。その頬はじんわり赤色に染まっていて、恍惚とも取れる顔をしている。
とりあえず…満足はして貰えたようだ。
「良い女だ」
と愉しげに言ってくるのに、上手い返しが思い付かず『勿体ないお言葉です』と頭を下げておいた。
ついでに近付いた分も離れておいた。
「相変わらずお前は強かやな」
『存じ上げております』
くつくつ笑われるが、言われ慣れたセリフには言い慣れた言葉を返すだけだ。自分が強かなのは、自分がよく理解している。
総統サマもお遊びをした事で落ちついたのか、またどっかり椅子に腰を下ろした。
「よし、報告ありがとう。下がっていいゾ」
『はい、失礼致します』
扉の方まで行き、ノブに手を掛けたところで「A」と名を呼ばれる。普段、「おい」やら「お前」やらとしか呼ばれないため、久しぶりに名を呼んでもらえた嬉しさがじわじわ湧いてくる。
扉を開こうとした動きを止めて振り返れば、総統サマが大股で近付いてくる。身長差が結構にある分、目の前に立たれるとこちらの首が死ぬ。遥か上にある彼の顔を必死に見上げた。
「しばらく大きめの任務は無い。ゆっくり休め」
『了解です』
「それと、…任務お疲れ様」
ぽんっと総統サマの大きな手が、私の頭に乗せられる。何が起こったのか一瞬理解出来ず、身体が止まる。固まる私を他所に、そのまま弱めの力でわしゃわしゃと撫でられた。
『お、お戯れ…を』
「ふっ…そうだな。さぁ、今度こそ下がって構わない」
『……はい』
満足気に手を離した総統サマから目を逸らし、軽く会釈をしてから部屋を出る。
廊下には誰もおらず、静かな空間が広がっていた。今さっき出てきた扉に背中を預けて、ずるずる座り込んだ。
『あん、な笑顔で褒めてくんの…ずっるいわぁ、、』
両頬に手を当てて、蹲りながらそんなことを呟いた。触れている自分の手は、頬の熱でどんどん温かくなる。
総統サマに忠誠を誓った身。あんな優しい笑顔で労いの言葉をかけられるのは、大変に甘い毒なのである。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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