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「柵から出てへんから安心し」
「…いつお前が唆すか分かったもんちゃうやろ」
心配しているであろう事を伝えるが、警戒心MAXのロボロは聞く耳を持たない。彼らにとって自分らが敵である事は理解しているつもりだが、流石にそこまで嫌悪感を丸出しにされるとこちらも傷付く。
ぎすぎすした空気が流れる中、さくさくと静かに草を踏み締める足音が聞こえる。現れたのは大きい角を持つ羊だった。どことなく山羊の風貌を感じさせるその羊は、色素の薄い瞳をその場の全員に向ける。
「ロボロさん、そうかっかせんでも大丈夫ですよ」
「でも、！」
興奮の冷めやらないロボロだが、その羊の静かな圧に押されたのか口を閉ざす。黙ったロボロを一瞥した後、次はAに目を向けた。
「Aさんも。急に居らんくなったら心配するじゃないですか」
『…でもぉ……』
「頼みますから、ちゃんと行先を言うてから外に出てください」
ね？なんて優しく話すその羊にAも言い訳を言う事に気が引けたのか、『…はぁい』と申し訳なさそうに言った。反省した様子のAを柔らかく見つめながら、その頭を撫でる。
「ロボロにも言うたけど、Aは柵越えてへんからな。エーミール」
ゾムにエーミールと呼ばれた羊はゆっくりと顔を上げ、彼を見据える。全てを見通すようなその瞳に、自分から声を掛けたのにも関わらずゾムは居心地が悪くなった。
「聞いとりましたよ。彼女が越えそうになったら押し返して下さいね？」
「そりゃあ勿論」
お前らは敵に回したくない、なんて言葉が喉元まで出かかる。
圧と圧がぶつかる空間が数十秒続こうかとした時、「あ"〜！Aさん居ったぁ！！」という気の抜けた声が飛び込んでくる。
その場の全員が声のした方を向けば、ぱたぱたと走ってくる大柄な羊が1匹居た。その長い脚で一気にこちらへ来たかと思えば、ものすごい勢いでAに抱きついた。
「も〜！探したやん！俺になんも言わんと居らんくならんとってぇ！」
『ち、チーノ、痛い』
Aが文句を零すが、くるんと大きく巻かれた角の生えた頭をぐりぐり彼女に擦り付けているチーノと呼ばれた羊は、全く聞いていない。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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