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「グルッペン」
青筋を立てながら総統サマを呼ぶトントン。連日の徹夜に合わせて、総統サマの我儘は耐えがたかったらしい。声を荒げていないだけマシ、なのだろうか。
やっと書類から目を上げた総統サマは、数秒トントンの顔を見つめた後、私の腰に回した手に力を入れて、何故かより傍へと近寄せられる。
驚いて総統サマの顔を見るが、前髪で隠れたその顔はよく見えない。どうしたものか顔を見つめ続けていれば、口を開いた。しかし、その口元からは音が発せられる事はなかった。恐らく口パクをしたのだろう。
総統サマの口パクを見た瞬間、トントンは目を見開いた。
一体何を言われたのだろうと首を傾げた時、トントンが「…今日だけやからな」と言って踵を返した。このまま放置されるのは大変に困るので、私は慌てて声を上げる。
『ちょ、トントンっ！』
「A、今日は休みでええから」
『いや、』
丸一日総統サマの膝上で過ごせと？なんて文句を言う暇もなく、トントンは部屋を出て行った。
あのトントンの言いぶりからすると、本当に私は今日ずっとこのままの状態なのだろうし、彼の事だからきっとこの部屋には誰も入れないようにするだろう。後者に関しては有難いけれども。
悶々と1人考え込んでいれば、さらに総統サマに抱きすくめられた。動物のように自分の髪が逆立ったような錯覚を感じた。
『そ、うとう』
「大人しくしてろ」
『や、でも』
「命令だ」
あまりの横暴さに『そっれはズルいやろ…』と小声で悪態を突けば、嬉しそうに鼻で笑った。
今日一日、私は総統サマの腕から逃げられない。
部屋を出たトントンは、廊下で鬱とすれ違った。彼の手には先程の自分同様に書類の束。
「大先生」
「ん？」
どしたん〜、と間延びした話し方をする鬱に、トントンは総統室へ近付くべきでない旨を伝える。
当たり前と言うべきか、何故、と鬱の口から疑問が飛ぶ。
紅い瞳を獣のようにぎらつかせてこちらを見据える我らが総統。
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口パクで伝えられたそれは、聞こえないはずなのに彼の低く唸るような声が聞こえた気がした。
時たま現れる自分が拾った白猫への独占欲が今日吹き出たらしい。
拘束されたAを気の毒にも思うが、その寵愛を一心に受けている事を理解出来てないあいつにも問題はある。
そんな事を考えながら、トントンは鬱を言いくるめた。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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