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重厚な黒い扉の前で一つ息をついて、ノックを3回する。『Aです』と声を掛ければ「入れ」と扉に滲みそうな程低いバリトンボイスが聞こえる。
静かに扉を開閉させて入室し、部屋の主に目を向ける。
アンティーク調の机とセットの椅子にどっかりと腰掛けているのは、我らが総統サマ、グルッペン。
輝く金髪の奥から、野獣じみた紅い瞳を覗かせた彼は、静かにこちらを見つめる。
手元の書類を座った彼に机を挟んで手渡す。彼が書類に目を落とし、数枚目を通したと同時に報告を始めた。
『＿＿。以上で今回の報告は、』
何か起こるわけでもなく、頭を下げて報告を終わろうとした時、静かな部屋にカチャリと金属のぶつかる音が鳴った。
頭は動かさず伏せていた目を少し上へ向ければ、書類を読んでいただけのはずだった総統サマが、こちらに銃口を向けていた。
総統が愛用している銃の9mm口径が、真っ直ぐ私の方へ向けられている。
『総統…なんのおつもりですか』
「さぁ？」
いきなり銃口を突きつけられるような事をした覚えは無いので、思った事をそのまま述べてみるが、帰って来るのは答えにならない言葉のみ。
あぁまた始まった、総統サマのお遊びが。
今までもこうして報告中に何かをし始める事が多々あった。
まぁ、銃口を向けられるのは初めてだが。
どうしたものか迷っている間に、総統サマは椅子から立ち上がる。なんの感情も浮かべていないその顔は、私がどう動くのか待っている様子だ。
このまま黙ってじっとしていても、きっと満足してくれないのだろうな。
ふーっと息を吐いて、顔を上げる。一歩机の方へ近付いて、突き付けられた銃に手を伸ばす。冷たい黒の銃身に手を添えて、自分の方へ引き寄せた。眉間に弱くぶつかった銃口から、かつと音が鳴る。
『貴方って………本当に面倒臭い人ですね』
額に当たる冷たい銃口の感触に、新鮮な感情を抱きながら、忖度無しに持ちうる気持ちを伝える。
これで満足頂けないのなら、もう私に残された術は無い。このまま総統サマに、頭をぶち抜かれてしまうしか他ない。
滅多に表舞台で動くことない彼が、わざわざ私の為に引き金をひく…思い付いたそれは、歪んだ優越感を生んだ。
彼の部屋で、彼の手で、彼の気まぐれで殺される…それはそれで乙な最期かもしれない。自分の頭に紅い華が咲くのを想像して、なるべく綺麗な死体になれればな、なんて思った。
紅い瞳を見つめながら、くだらない事を考えていると、額の冷たい感触が離れた。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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