・ ページ15
.
エーミールと鬱に頭を撫でられて、とても嬉しそうにするAに鬱はでれでれと表情を溶かした。「うわ〜もうアホみたいにかわええ〜♡」なんて言いながら撫で続けていれば、その隣にシャオロンがすっと寄って来た。
ひねくれシャオロンもついにAちゃんの可愛さが分かったか、なんて思った鬱を嘲笑うようにシャオロンは細い指をAの口へ入れた。
その場の全員が驚く中、一人だけ淡々としているシャオロン。入れた人差し指と中指を使って、Aの口を開けさせていた。
「ほぉーロリのくせしてちゃんと歯ぁ生え揃ってんのな」
「ちょっ、シャオちゃんっ！？」
「噛まれますよシャオさん！！」
慌てる周囲に「へーきやろ」と軽そうにシャオロンは言い放つ。そのままAに目を向けたかと思えば、意地悪そうに目を細めた。
「やって、約束したやんなぁ？…噛んだら抱っこ終わり、って」
『……！』
好き勝手に口内を弄られて今にも噛みつきそうな勢いだったAだが、シャオロンがそう言った瞬間口に込めていた力を抜いた。けれど不満なものは不満なようで、ぶっと勢いよく鼻を鳴らし、足も落ち着きなくばたばた揺らした。
「せっかくせぇへんように言い聞かせたのに、意味無くなる事すな」
「ｯて！…叩かんでもええやん、」
トントンに頭をド突かれて、むすっとしながらもシャオロンはAの口から手を離した。Aはぎゅっと口を閉じた。
「嫌やったねぇ」と猫なで声で鬱が宥めるが、不満は収まらないようでせわしなく足をばたつかせる。
「おーいーAちゃんの機嫌悪なってもうたやん」
「気になってんもん歯」
「だからって物みたいに雑に扱ったらあかんわ」
じたばた暴れるAをあやすように抱えるエーミールを他所に、男3人は会話をしている。
「ちょ、あの、一人であやすんムズすぎ…！」
流石に一人で面倒を見切れなくなったのか、エーミールが悲鳴を上げ始めた。
結局、撫でたり、遊んだり、たくさん構ってやり、気付けば満足したのかAはトントンの膝に頭を預けて眠ってしまっていた。
穏やかな顔で眠るAを眺めながら、4人はのんびり過ごした。
翌日にはAは元に戻っていて、兎耳の生えた幼女であった記憶もなくなっていたが、4人が大量に残した写真を見てしばらく部屋に引き籠った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
