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とりあえず意識や自我がないわけではなさそうなので、一安心だった。
小さな身体で歩き回らせると、成人男性集団内では確実に危険だろうとエーミールは考えた。Aの前に手を差し出して、握るように催促した。
Aはエーミールの手をまじまじと見つめた後、その差し出された手を無視して、彼の腕の方へと引っ付いた。
「…えー、と？……シャオさん、これって…」
「大方、抱っこの方がええって事ちゃうか？」
エーミールの腕に引っ付くAを見ながらそう言う。適当っぽさが溢れるシャオロンの言葉に、嘘やん、なんて思ったが黙って自分にしがみつくAがそれを正解だと物語っていた。
エーミールは恐る恐るAの脇の下に手を差し入れて、もちあげてみる。驚く程に軽いその身体をゆっくり抱きかかえれば、自分より高い体温がじわじわと伝わってくる。
兎が人間より体温の高い動物だったことを、エーミールはAが首に緩く抱きついてきて思い出した。
「よし、Aも納得みたいやし行こか」
エーミールの腕の中に収まるAを満足げに見た後、シャオロンはすたすた歩き出した。エーミールはその後を慌てて着いて行く。
しばらく歩いたところで、向こうから2人のメンバーが歩いてくることにシャオロンは気付いた。
「お、トントンに大先生やん」
「んー？あ、シャオちゃん」
「エミさんもおるやん。2人揃って、何して…」
そこまで話したトントンはエーミールの腕の中にいるAの存在を認識した。鬱も同様に目を見開いた。
「え、は、、、Aちゃん…？」
「せやねん。なんかちぃこくなったうえに」
「み、耳…え、うさちゃんやん……え、」
鬱は、熱に浮かされたみたいにぶつぶつ呟きながら、ふらふらとエーミールの方へ寄った。鬱の近付き方が気持ち悪すぎてエーミールは逃げたくなった。
ゆらりとAの傍まで顔を寄せた鬱は、まじまじとその姿を見つめた。
「ちっっちゃ。かわ。なんなんこの生き物可愛すぎとちゃうか。ふあふあのちいこい命…。うわ好き。おいこらエーミール。なに抱っこしてんねん。死ね。変われ」
「鼻息めっちゃ手に当たって気持ち悪い…」
「おい」
呪詛を無視して文句を言うエーミールを、鬱はぎろりと睨んだ。
くそ童貞の相手をすることに生産性が無いと感じたのか、鬱は睨んでいた目をAに向けた瞬間に緩ませながら、そっとその頬へと手を伸ばした。
伸ばされた手をじーっと見つめていたAは、おもむろに口を開いたかと思えば鬱の指へ噛みついた。
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ぽんず(プロフ) - ゆゆしきさん» んふふ。照れるネタ考えたんだから、せっかくだしぶち込め！精神で書きました。文章綺麗はまじで嬉しい褒め言葉ですありがとう。どんどん解像度上げてってもろて。 (7月24日 22時) (
レス) id: 1d8d6127fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - たじろぎレアちゃん本当に珍しくてこっちが死にそう、本当に文章綺麗でレアちゃんの解像度が私の中であがってきててとても嬉しい (7月24日 22時) (レス) @page4 id: 8adc159d64 (このIDを非表示/違反報告)
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