彼女の心を掴むには?【Y学園】

12話 ページ15

＿美術室＿

マタロウ「こっちはこれで良し！」



マタロウとコマは望遠鏡をセットし、外を監視出来るようにする



コマ「これで監視準備完了！」



マタロウ「ドンと来い！巨大サラリーマン！」



マタロウは拳を突き上げた









皆で待っていると急にAが立ち上がる



コマ「Aちゃん、どうしたの？」



A「ちょっとお手洗いに」



ジンペイ「すぐ戻って来いよー」



A「うん！」









Aはトイレを済ませ、美術室に戻ろうと歩いていた



？「ちょっといいか」



後ろから声を掛けられた



A「え？」



振り返るとそこにはラントが居た



A「あっ霧隠会長…えっと何でしょうか…？」



Aは先程の威圧的な態度を思い出し、少し怯えた様子になる



ラント「さっきは厳しい態度を取ってしまったが、怯えなくて大丈夫だ」



Aの怯えを感じたのか、ラントは優しい表情で話しかける



A「あっはい！(優しい顔だ……)」



警戒心を解き何の用事なのかラントを見つめていると



ラント「唐突だが、俺の事を覚えていないか…？」



本当に唐突な質問だ



A「えっと、この学園に入る前って事ですよね…


すみません……覚えてないです……」



ラント「そうか…………


可笑しな質問をしてすまなかったな」



A「いえ…じゃあ私もう行くので……」



ラント「待て」



立ち去ろうとしたAの肩を掴み、壁に押し付ける



A「えっ、あの…」



真意が掴めない…



そう思っているとラントはAの制服の襟をずらした



A「霧隠会長？何を…」



ラントは黙ったまま、Aの鎖骨辺りに顔をうずめる



A「…んっ！？？」



するとチクリと痛みを感じた



しばらくしてラントは顔を上げた



A「あの、何をされたんですか…？」



ラント「"A"は気にしなくていい」



教えていないはずの名前を呼ぶ



A「…！？なんで私の名前を……」



ラント「…じゃあな」



Aの質問には答えず、どこか寂しそうにそう言って去っていく



A「…？」



Aは不思議そうな表情を浮かべながらも、乱れた衣服を直し美術室に戻っていった

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