風呂 ページ31
「それじゃあAさんも諸々の準備があるでしょうし、私はこれで。」
『はい。朝早くに色々とありがとうございました。』
にこにこと手を振ってアンリさんは離れていく。ドアの前で頭を下げ続けて、アンリさんに苦笑されたのは言わずもがな。
部屋に荷物を運び入れて、中身を出していく。
出している途中でふと思う。今の時間で爆速で終わらせれば、シャワーくらい浴びれるのでは?と。
今日は選手たちにも合うし、流石にお風呂は入れずともシャワーは浴びておいた方が良い気がする。社会的に。
ということで、思い立ったが吉日。着替え一式を手に、シャワールームへ向かった。
シャワールームへの道すがらまだ起床時間ではないのか、誰とも遭遇する事はなかった。
アンリさんと私用に、と別で作られたシャワールームへと到着した。流石に絵心さんもそこは配慮してくれたらしい。あの人にまだ倫理観があって良かった。
と、なんとも失礼な事を考えながら貸切状態のシャワールームに入り、シャワーコンクを捻ってお湯を浴びる。
昨夜入っていないだけなのにとても有難く感じるのは、私にも一応清潔感に関するアウトラインがあるからなのだろうか。
備え付けのシャンプーで髪を洗い、次はリンス…と思って探すが見つからない。裸眼状態で目の悪い自分が見つけれてないだけなのか、と色々と触ってみるが、そもそも置いてあるボトルが2本だけ。名前を確認するが紛れもなくボディソープとシャンプーなので、確実に置いてない。
なんで無いの?男子高校生ってリンス使わないの?
と個室で怒りながら、絵心さんに用意して貰うという結論に至ってお湯を止めて出る。
ひとまず水分だけは切って後は部屋で乾かそうと思い、へそ上まである自分の髪を絞り、クリップで一纏めにする。
鏡の前で水が垂れてない事を確認してシャワールームを後にした。
まだ人気の無い廊下を進む。
渡された資料は目を通して、頑張って覚えたつもりではいるけど、やっぱり中々完璧とは言えず。
絵心さんにバレたら怒られるかな。情報詰める時は
と、選手たちの情報について色々考えながら歩く。
そんな風に考え事をしていたからなのか、曲がり角で現れた人影に気付かず、思いっきり衝突してしまった。
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coco - 更新待ってる (12月29日 9時) (レス) @page32 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
アンナ(プロフ) - お話面白いし絵も上手で尊敬します!応援してます!頑張ってください! (6月11日 2時) (レス) @page8 id: 61fc3359a9 (このIDを非表示/違反報告)
闇まんじゅう(プロフ) - お話めちゃくちゃ面白いし、絵も上手でも吃驚しました!頑張って下さい!応援してます! (2023年3月3日 20時) (レス) @page31 id: a2e3403032 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 面白いです!頑張ってください応援してます! (2023年1月1日 17時) (レス) @page18 id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
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