暇日 ページ20
『え、アンリさんってここに缶詰じゃないんですか?』
思っていた事をそのまま伝える。
「はい。協会での仕事もありますし、来れる日には来ようって感じで。」
嘘…。じゃあ私、こんな山奥のコンクリの塊の中で、300人のサッカー馬鹿と鬼畜雇用主と過ごすって事?無理しんどい。既にしんどい。
アンリさんを癒しのオアシスにしようと思っていたのに。と落胆していると
「…でも、絵心さんが身の回りの事ほとんど自分でしてくれないので、結構な頻度では来ると思ってます…。」
『あぁ……お疲れ様です…。』
そういえばそうだ。あの人、好きなタイプに"全部やってくれる人"とか言う人間だもん。アンリさん、本当に何で絵心さんの所で働いてるんだろうか。すぐにでもパワハラで訴えれると思うんだが。
ちなみに好きなタイプは、昔暇だったんで聞いてみたネタ。何故暇で好きなタイプを聞いたのか、あの人と恋愛系の会話をしたのか我ながら謎だが、まぁそこは閑話休題。またの機会にでも。
『えっと、ジャージとかって用意出来ます…?』
「あぁっそうですね!流石に
絵心さんのお世話で大変なアンリさんに物を頼むのはとても心苦しいが、さすがにこれから制服のまま此処で過ごすのは厳しい。あと、着替えが無い。
持っていたスマホで、休日の運動時に愛用しているジャージやレギンスを見せる。あとついでに着替え一式。
「…これで……よしっ、と。じゃあこの荷物は明日の朝お届けしますね。それでは、今日はゆっくりして下さい。」
持っていたタブレットに頼んだ服のブランドやらサイズやらをメモし終わったアンリさんは、ふんわりとあの癒しの笑顔を浮かべて部屋から出て行った。
アンリさんが出て行った後、私は畳に座りぼんやりと天井を見上げていた。
する事がない。本当に暇すぎる。
こんなことならアンリさんともう少しお喋りしていれば良かったとも思うが、仕事で忙しそうだったし迷惑は掛けられない。ただでさえパシリみたいな事をさせてしまっているのに…。
こうも暇だと眠気が来る。車の中でも爆睡したが、まぁする事無いし寝てても大丈夫なはず。
そうして私はローテーブルに頭を乗せ、寝ることにした。
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coco - 更新待ってる (12月29日 9時) (レス) @page32 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
アンナ(プロフ) - お話面白いし絵も上手で尊敬します!応援してます!頑張ってください! (6月11日 2時) (レス) @page8 id: 61fc3359a9 (このIDを非表示/違反報告)
闇まんじゅう(プロフ) - お話めちゃくちゃ面白いし、絵も上手でも吃驚しました!頑張って下さい!応援してます! (2023年3月3日 20時) (レス) @page31 id: a2e3403032 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 面白いです!頑張ってください応援してます! (2023年1月1日 17時) (レス) @page18 id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
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