部屋 ページ19
「それでいい。
連絡は以上。残りのタスクをこなしてから食事に向かえ。」
私の挨拶が終わった瞬間に、私をモニター前から退かしてさっさとそんな事を告げる。あまりのスピードに、気付いた時にはモニターをオフにしていた。
「よし、それじゃあアイツらのタスクが終わるまでにさっさと部屋に行け。実際の対面は明日からだ。」
『え、いや、やる事…』
「仕事も明日からだ。さっさと行け、じゃあな。」
聞きたいことが大量にあるというのに、絵心さんはくるりと椅子を回して私に背を向けた。
本当になんなんだこの人は。
即座にむくれた私に、アンリさんが気付いて声を掛けてくれる。
「じゃ、じゃあ部屋には私が案内しますから…！」
私と絵心さんの間を取り持つように、アンリさんは私の肩を抱いて回転させて背中を押し始めた。アンリさん、私自分で歩けます。
まぁいいか。アンリさんいい匂いするし、手もあったかいから落ち着く。有難くこの状況を享受させてもらおう。
無機質なコンクリートの監獄を、アンリさんに押されるがままに進む。
そして辿り着いたのは、今までの道すがら見て来たものとそっくりの扉。これなんか目印しとかないと絶対に間違えるのでは。おい設計者、もっといい感じに出来なかったのか。
部屋に入れば、畳の床に小さなローテーブル、布団、タンス。部屋の隅には、私が持ってきていた学校の用意。
すっごいミニマリストみたいな部屋。まぁ、衣食住揃ってれば生きていけるし、家具にそこまで拘りが無いからなんだって構わないのだけれど。
ここまで来たらもう教材とか必要ないのかも。そんな的外れな事を考えているとアンリさんに声を掛けられる。
「今は必要最低限のものしかない状態なんですけど、絵心さんからAさんが望むものは、基本的に全て用意しろと言われているので…。」
突然豪遊を許された。
なんでまたアンリさんに言わせるのか。自分の好感度を上げるタイミングをミスり過ぎではあの人。
「何か足りないものとかがあったらすぐに連絡してください。」
『そんなパシリみたいな…。』
「ふふっそれが私の仕事ですから、大丈夫ですよ。遠慮無くどうぞ。」
ふんわりとはにかむように笑うアンリさん。大人の余裕だ…。でも美しいというより可愛いだな、うん。
「そうですね…。今言って頂ければ、明日の早朝までには買い出し出来るだろうし、用意しますよ。」
手首の時計を確認しながら、そう教えてくれる。
自分のように部屋が用意されて、てっきりそこで過ごしているもんだと思い込んでいた私は驚いた。
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coco - 更新待ってる (12月29日 9時) (
レス) @page32 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
アンナ(プロフ) - お話面白いし絵も上手で尊敬します！応援してます！頑張ってください！ (6月11日 2時) (レス) @page8 id: 61fc3359a9 (このIDを非表示/違反報告)
闇まんじゅう(プロフ) - お話めちゃくちゃ面白いし、絵も上手でも吃驚しました！頑張って下さい！応援してます！ (2023年3月3日 20時) (レス) @page31 id: a2e3403032 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 面白いです！頑張ってください応援してます！ (2023年1月1日 17時) (レス) @page18 id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
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