精霊 ページ18
潔side
「やぁやぁ才能の原石共。」
昨日の入寮テストぶりに、モニターに絵心が映る。
つい昨日、おにごっこという名の入寮テストを行い、俺は見事残ることが出来た。
試合で実践を積んでいくのかと思いきや、今朝「体力テストを行う。」とだけ言われ、夕方に差し掛かるだろう現在まで黙々とランニングやらジャンピングのテストをこなしていた。
一息ついていた所での絵心は、なんだか嫌な気分になる。
「体力テストはいかがだったでしょうか。まぁまだ1日目、やさぐれる事無く明日も真面目に取り組んでくれ。」
開口一番そんな事を言う。
マジか…。試合は?試合はいつ…。
部屋には俺の心境と似たような声が溢れる。
そんな俺たちに見向きもせず、絵心は話し続ける。
「そんな話は置いといて、だ。今日からマネージャーとしてお前らを支える人間が増えた。」
画面の中の絵心は後ろを振り返り「挨拶しろ。」と誰かに声を掛けている。
マネージャー…?え、あのボディスーツをくれた女の人?それとも別の誰か?
困惑しつつも、どんな人が来るのかモニターを見つめていると
『え、挨拶とか要ります?私、空気に徹してようと思ってたんですけど。』
「空気になろうが、目立とうが、どちらでも構わないが挨拶はしろ。いきなり敷地内に知らん女が居たら、選手が混乱するだろ。」
『いきなり敷地内に知らん女を呼んだのは貴方でしょ。』
なんて会話が聞こえる。
あの絵心に言い返す奴が居るのか!?と部屋のざわつきが大きくなる。今村だけは「女子の声!?!」と違う反応をしているが。
今村の反応に呆れていると
『……無言で圧かけてこないで下さいよ…挨拶やりますから……。顔怖…。』
静かな声で呟きながら、画面にその人が映る。
映った瞬間目を引いたのはその瞳。薄く水が張った氷みたいな目。
髪色とかからも、氷の精霊みたいだと思った。
部屋のざわつきが一瞬にして消えた。
『えっと…才能の原石さん、たち?選手?選手で良いんですか?
えーっと選手の皆様方、今日からマネージャーとして皆様を支えていきます。なるべく空気に徹して邪魔をしないようにしていくので…よろしくお願いします。』
そう言って、ぺこりと頭を下げた。
名前は、誰もがそう思った時言い忘れたかのようにその名を告げる。
『あ、名前は
突然現れた氷の精霊に全員が目を釘付けにしていた。
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coco - 更新待ってる (12月29日 9時) (レス) @page32 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
アンナ(プロフ) - お話面白いし絵も上手で尊敬します!応援してます!頑張ってください! (6月11日 2時) (レス) @page8 id: 61fc3359a9 (このIDを非表示/違反報告)
闇まんじゅう(プロフ) - お話めちゃくちゃ面白いし、絵も上手でも吃驚しました!頑張って下さい!応援してます! (2023年3月3日 20時) (レス) @page31 id: a2e3403032 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 面白いです!頑張ってください応援してます! (2023年1月1日 17時) (レス) @page18 id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
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