挨拶 ページ17
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『……でっか…』
謎の会場で絵心さんに正式に雇われた私は、拉致られた時と同じ黒いバンに乗せられた。そのまま山を越え、辿り着いたのは大きな建物。
ここが"
全面がコンクリートで覆われたソレは、名前の通り監獄の様。無駄が1ミリも無い、絵心さんらしい建物だなと思った。
登校中に拉致られたため制服なのだが、何だかすごく浮いている感が否めない。
早くジャージとか用意してもらお。
一緒に移動してきてくれたアンリさんに案内されるままに、着いて行く。
着いた部屋には何十台ものモニターが壁に掛けられ、モニターは光を放っていた。そしてその中心には椅子があり、そこにはあの人が座っていた。
「来たか。対面では、久しぶりになるか。」
『……ども。』
今更ながらに電話ブッチした相手との対面が気まずくなってきた。死にたい。
「やる仕事は後でアンリちゃんにでも聞けば良い。」
「え、私に丸投げですか!?」
「俺よりアンリちゃんの方が言う事聞くだろ。」
よく分かってるじゃん。まぁでも流石に仕事にまで私情は持ってこない。そこまで子供じゃない。
『否定はしないですけど…絵心さんは雇用主ですから、なるべく文句なしで行くつもりですけど…。』
「……そうか。」
それはなんの間。そこまでびっくりさせるようなこと言ったか私。
椅子を回してモニターの方へ向き直った絵心さんは、モニターのスイッチをオンにして
「やぁやぁ才能の原石共。」
そう声を掛け始めた。
なるほど、これで全部の部屋に映せるって訳か。めっちゃハイテク。いくらぐらい掛かってんだろ…。
というか、才能の原石共って長くないか。選手じゃダメなのだろうか。
絵心さんの声を右から左に流しながら、壁に掛けられているモニターをぼんやりと眺めていると
「今日からマネージャーとしてお前らを支える人間が増えた。挨拶しろ。」
と声を掛けられた。
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coco - 更新待ってる (12月29日 9時) (レス) @page32 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
アンナ(プロフ) - お話面白いし絵も上手で尊敬します!応援してます!頑張ってください! (6月11日 2時) (レス) @page8 id: 61fc3359a9 (このIDを非表示/違反報告)
闇まんじゅう(プロフ) - お話めちゃくちゃ面白いし、絵も上手でも吃驚しました!頑張って下さい!応援してます! (2023年3月3日 20時) (レス) @page31 id: a2e3403032 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 面白いです!頑張ってください応援してます! (2023年1月1日 17時) (レス) @page18 id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
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