◇ ページ30
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「僕をなんやと思ってんの？」
「ただのクズやろ」
「否定はしない」
「否定しろ」
シッマのクズ認定を否定しないと、トントンにツッコまれる。散々周囲にクズだクズだと言われ続ければ誰だって、あー自分はクズなのか、と思うに決まっている。
僕は、どこが世間のアウトラインなのかいまいち理解出来ていない節がある。性格故か成長環境故かは分からない。とにかくそんな僕には、周りからの印象を伝えられる事は重要な意味を有する。
顔が良いと言われて周囲から浮くのと、世間の常識が分からずに浮くのとでは、天と地ほどの差がある。
「まー大先生がクズだとかいう話は終わりにして、はよ課題進めよか」
パンッと一つ手を叩いたトントンにより、僕たちを包んでいた空気が、課題に取り組むものへと変化した。流石は一応優等生。しっかり僕らのまとめ役をこなしてくれる。
「もうぼけっとすんなよ」
「あい…」
じとーっとシッマからの視線に、身をすくめながら返事をする。授業中、しかもグループワーク中に気を抜いたのは、こっちが悪かった。集中してさっさと終わらせよう。
心機一転しっかり取り組む僕の姿を見て、みんな安心したらしく、再び他のグループに勝るとも劣らない騒がしさを取り戻す。
このメンツは僕を含め、そこまで人との関わりを重要視していない。一度心を開いて仲間や身内だと認定してしまえば、いい話ではある。だがしかし、そうはいかないのが人間の常というものである。全員、関わる人間と一定の距離は詰めないし、本心は滅多に明かさない。
こいつらとも初めは、なりゆきで交流を始めた。タバコ繋がりであるシッマとはなんとなく上手くいかせる事が出来ていたように感じるが、後の2人は色々の過程があっての事だったような気がする。
こいつらと居るのは苦くもない。かと言って甘くもないけれど、クソみたいだと感じる世界の中では落ち着くことが出来る場所な感じはする。
人への興味が淡泊なおかげで、こいつらは人の心の奥まで踏み込んで来ない。踏み込まれないのは、有難い限りである。
そんな事をぐるぐると考えながら課題をこなしていれば、教壇でくつろいでいた先生が思い出したように口を開いた。「終わったグループから帰宅できる」という旨の言葉が出された。最後の授業コマだからこその計らいなのだろうが、それはつまり終わらねば帰れないという事。
今日はバイトが無い。つまり、さっさと帰宅してAちゃんと過ごすに限る。
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ぽんず(プロフ) - 時雨さん» 【d!×はぴしゅが】が見たくて自己満で作ったモノなので、そのようなコメントをいただけてとても嬉しいです…！ (6月14日 22時) (
レス) id: 97349c3877 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - d！様も原作も好きなんで供給過多です)) (6月13日 22時) (レス) id: 361218612a (このIDを非表示/違反報告)
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