◇ ページ22
朝食も終わり、身支度を整えていれば学校に向かう時間になっていた。
玄関でローファーの爪先を地面に打ちながら履いていると、見送りのために後ろに立っていたAが『ねぇうつくん』と、くいっとブレザーの裾を引いた。振り返って顔を見ると、パッと目を逸らした。
どうしたんやろ、と首を傾げていればゆっくりと目をこちらに向けて、口を開いた。
『がっこうも、ばいとも、なくなっちゃえばいーのにね』
学校もバイトも心底つまらない、気に入らないといった表情でそんなことを言う。
自分が出掛ける事にそこまでの顔をしてくれるのがなんだか嬉しくて。つい頬が緩む。つままれた手を取って振り返り、Aと目線を合わせるようにしゃがむ。
「あんなぁ、Aちゃん。僕夢があんねん」
きょとんとした顔をするAの、もう片方の手も取る。
「ちゃんと勉強して、お金貯めて、Aちゃんと暮らすお城を建てるんや。」
『おしろ……』
「そう。やから待っとってAちゃん」
こつんとおでこを寄せて、Aの目を見ながら言う。Aはぱちぱちと数回瞳を瞬かせた後、きゅっと目を細めて笑う。『うん』と頷きながら、おでこをすり寄せてくれた。
「じゃあ、行ってくるな」
『いってらっしゃい、うつくん！』
「ええ子でおるんやで〜」なんて言いながらAの頭を撫で、家を出る。笑顔で手を振るAを目に収める。
"お城"を作ってAちゃんと過ごす
僕だけの愛し方
僕なりの愛し方
初めて見つけた"愛"
大事な大事な僕の"愛"
誰にも奪わせない
誰にも邪魔させない
僕だけのハッピーシュガーライフのために
扉を閉めて鍵を掛ける。
向こうの側
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ぽんず(プロフ) - 時雨さん» 【d!×はぴしゅが】が見たくて自己満で作ったモノなので、そのようなコメントをいただけてとても嬉しいです…！ (6月14日 22時) (
レス) id: 97349c3877 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - d！様も原作も好きなんで供給過多です)) (6月13日 22時) (レス) id: 361218612a (このIDを非表示/違反報告)
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