◇ ページ13
プリンの蓋を開け、中身が零れぬよう皿に受けさせる。カップの底にある突起を押せば、プリンはするりと落ちて皿に乗った。カップを慎重に外す。振動でプリンが柔らかく揺れた。
これだけでも十分に美味そうだが、今回はここから更に"ええもん"を乗せていく。
ホイップクリームスプレーを構えて、プリンの横に添えるように出す。Aは甘いものが好きだから、多めに出しておく。しゅわしゅわと窒素ガスが抜ける音を立てながら、渦を描いてタワーにする。角の立ち上がったクリームに、チョコソースをかけて完成。
崩れないようにゆっくりとローテーブルに置く。
「スペシャルデザート、かんせ〜」
『……！……！！』
目の前に置かれた豪華なプリンに、Aははくはくと口を開閉させている。とりあえず、喜んでいるのは確実だと思うので、微笑ましく見つめる。
『これ、！これっ！いいの！？私たべていいの！？』
「もちろん。Aちゃんの為に作った特別デザートやもん。是非是非食べてくださいな」
ティースプーンを小さな手に握らせて、食べるよう促す。
きゅっと握ったスプーンをゆっくりとプリンに刺す。そのまま取った一口をクリームに沈みこませる。そっと口元まで運んで、意を決したように口に含む。
その瞬間に目がきらきらと輝きだす。
『うつくん！』
「わっ」
スプーンを皿に放り、僕のもとへ飛び込んでくる。いきなりのことで驚いたが、小さく軽いAの身体がぶつかったぐらいでは倒れこむことはなく、彼女を受け止めることが出来た。
『これ！すごい！すっごくおいしい！！あまい！とってもあまい！！』
「そっかそっかぁ」
元々大きな瞳を余すところなく見開いて、頬を桜色に染めて、口角を目一杯上げている。全身から美味しい、嬉しい、という感情を表していて、作った側としてはこれ以上無い幸せである。興奮で回らない呂律を必死に動かして、どこが良かったのか説明するAの頭を撫でながら、うんうんと頷いて話を聞く。
普段の食事は生きていくために必死に覚えたが、お菓子作りまでには手が回っていなかった。今まで手を加えたデザートは作って来なかったが、こんなにも喜んでくれるのならばお菓子作りも始めてみようか。
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ぽんず(プロフ) - 時雨さん» 【d!×はぴしゅが】が見たくて自己満で作ったモノなので、そのようなコメントをいただけてとても嬉しいです…！ (6月14日 22時) (
レス) id: 97349c3877 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - d！様も原作も好きなんで供給過多です)) (6月13日 22時) (レス) id: 361218612a (このIDを非表示/違反報告)
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