初恋の君 2 【モーツァルト】

55 ページ9

Aが驚いたような顔で僕を見た

やっぱり僕の気持ち、気付いてなかったんだ…

Aに向かって伸ばした手

“今度こそ、君とずっと一緒にいたい”

そんな思いで手を伸ばした

どうか、僕の手を掴んで＿＿

でも、僕の手にAの手が触れる事は無かった

ああ、やっぱり僕の想いは届かなかったのか


でも君に想いを伝えられただけで満足だよ


…なんて、そんな綺麗事で自分を納得させる事なんて出来ない

想いは届かなくても、僕はずっと君を想い続ける…


「…A？」

フラれたショックで気付かなかったけど、なんか…おかしい…？

俯いたままピクリとも動かないA、やっぱり変だ

「大丈夫…？Aっった⁉」

声を掛けて近づくと、一瞬だけ、全身に焼けるような痛みが襲ってきた

驚いてAを見つめる

すると


『もう…何も分からないよ……』


Aはそう呟いて…倒れた

「A⁉A⁉…っ‼」

名前を呼んで近付くと、また痛みが

Aの為なら…と痛みを我慢して近付くと、今度は弾き飛ばされた

僕を…拒絶している…？

「なんで…？

何で僕を拒絶するの？

君だって僕を選んでくれなかったじゃないか‼」

56→←54

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す