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…ベッドに寝転がりながら、ずっとAのことを考えてた

あの青磁色の長い髪

深い瑠璃色の瞳

とても綺麗なのに、何か足りなくて


…ああ、折角会ったんだからAの笑っている顔が見たかったな

まあ、あの二人を連れ去ろうとしてたのは事実だし、僕もAが善くない事をしてたのも分かる

でも、もし僕があの時いなかったらAはあんなに悲しそうな顔をしなかったのかもしれない

原因は僕にあるのかも

どうしたらAは前みたいに笑ってくれるのかな

窓を開けて、夜空を見上げる

夜の冷たい風が僕の長い桃色の髪を揺らす

そういえばこの三つ編み、Aがやってくれてたんだっけ

Aがいなくなってからは、ルー君が見よう見まねでやってくれてた

今はだいぶ慣れたみたいで、Aと同じくらい上手なんだよ


…会いたい、会いたいよA

もう一度だけでもいいから



ひらり


…ん?

僕の髪に紫色がついた

取って見てみると…これは花びら?

と思ったら、懐かしい曲が流れてきた

「すみれ」…僕が29歳の時に書いた歌曲

ってことは

「Aの…ムジーク?」

すると、夜空に大きな紫色の蝶が現れた

全部スミレの花びらで出来ているみたい

そしたら蝶から何かが落ちてきた

キャッチしようとしたら、僕の手に近づくに連れてどんどん落ちるスピードが遅くなってきてる

手を"何か"の下に添えて、待つ

フワッと僕の手に乗ったのは、カンパニュラとスミレの花

カンパニュラの花言葉は…確か後悔だったっけ

Aの気持ちを知って、凄くホッとした

スミレは……分かんないや

ちょっと調べてみよっと

部屋にある花図鑑をペラペラめくる

あ、あった

えーとなになに…紫のスミレは"愛"

「えっ…?」

ま、まさかね

Aみたいな特別なクラシカロイドが普通の僕のことを好きになるなんて、ほとんど0%だ

別にAに好かれたくない訳じゃないけど

でもたまたま…なのかなって思ってる


「…よし、じゃあ僕も」

Aみたいにいろいろできる訳じゃないから

花を送るなんて出来ないけど

…少しは、僕のことを意識してほしい

「Hör mal, meine Musik!」

アイネ・クライネ・ナハトムジーク

君の為だけに奏でる、夜のセレナーデ

僕の気持ち、届きますように…




セレナーデ…(恋人の部屋の窓下でかなでる)恋愛の歌曲。

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にいか - ヒュアメル マイネ ムジーク!  今更ごめんなさい (11月14日 1時) (レス) id: ecef28fcbd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - yukirinさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年10月10日 7時) (レス) id: 2a72e67ce6 (このIDを非表示/違反報告)
yukirin - 私、この小説大好きです。続きたのしみにしています。受験がんばってください (2017年9月30日 14時) (レス) id: 44b59c9a51 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ユキナさん» ありがとうございます!受験も更新も頑張ります (2017年5月28日 22時) (レス) id: c71a6dc039 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 受験生何ですか!?はわわわ!頑張ってくださいね!私は来年受験生に不本意ですがなります…大変ですよね。私、受験も更新も応援します!特に受験!1度きりだからです!頑張ってくださいね! (2017年5月28日 19時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月8日 15時

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