初恋の君【モーツァルト】

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『ん…』

薄く目を開けると、見覚えのある三つ編み

「…あ、A…起きた？

もうすぐ着くみたいだね…」

モツ君の少し眠そうな声、2人とも寝ちゃってたみたい

『ごめんね、ずっと肩借りちゃってて…』

「ううん…僕もAの頭借りちゃってた…」

あ、だから私が起きた時にすぐ起きたんだ…

あくびをしながら伸びをしてるモツ君を眺めてると、少し笑いが溢れる

なんか寝たら緊張が少し薄れたかも

少しでもこの旅行で距離が縮まるといいな…



チケットをスタッフさんに見せ、ゲートをくぐって中に入ると、目の前に現れた大きな地球儀のモニュメント

そう、１日目はネズミーシー！

「A、こっちこっち！」

『え？』

手を引かれて来たのはネズミーストアの…

「これ！」

と、頭に付けられたのは…

『カチューシャ？』

外して見てみると、ミニーの耳と大きなリボン

可愛い！

『じゃあモツ君はこれかな』

と、ミッキーのカチューシャをモツ君につける、なんか可愛い

「じゃあこれ買おっか」

『そうだね』

「買ってくるからちょっと待ってて」

『あっ、お金…』

「ううん、気にしないで」

と、モツ君は２つのカチューシャを持ってレジへと行ってしまった

お揃いかぁ…それっぽいな

モツ君を眺めてると


ゾクッ


突然寒気が走る

後ろを振り向く

でもこんな人だかりで寒気の正体は見つけられるわけもなく

まさか…もう？

いや、考えちゃダメ考えちゃダメ

こんな人の多い所で奴らが行動を起こすことなんて無いもの…


「Aー！はい、これ！」

モツ君が帰って来た、ちょっと安心感

『ありがとう！』

カチューシャを付ける

「じゃあ行こっか！」

手を引かれる

楽しそうなモツ君に思わず笑みが零れた

楽しめそう、楽しい事しか起こらない


その時はそう思って疑わなかった

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