初恋の君【モーツァルト】

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『Hirefuse meine Musik！』

Aの服が茶色の燕尾服に変わり、音楽が奏でられ始めた

その音楽は

ルー君のトルコ行進曲

心臓がドクン、と跳ねた

何でルー君の曲なの…？

「凄い！」

「あんなに汚かった部屋が…」

喜んでいる皆、楽しそうに演奏するA

確かに凄い、流石A

だけどさ

僕もトルコ行進曲作ったんだけど

何で僕のじゃないの…？


…なんてね

Aが何を演奏しようがAの自由だもん

それにAは僕の事を好きだっていう訳じゃ無いし

それなのに何で僕、こんな風に思ってるんだろう

心の奥に溜まっていくどす黒い感情

"嫉妬"

分かっていても止められない


あーあ、何か僕だけ空回りしてるみたい

もう諦めようかな

でも諦めよう、諦めようと思う度にどんどん自分の中で想いが溢れてくる

いっそ当たって砕けてこようか

でもフラれたときが怖い

まだこの距離を保っていたい、その方が安全だ


弱虫な僕は自分の想いを押し込めて、何気ない顔をして君と接することしか出来ないんだよ

ごめんね

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