初恋の君【モーツァルト】

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『あの…いろいろとすみません』

頭に？をたくさん浮かべてる歌苗さんに声を掛けると、ビクっと驚いたようにこっちを向き、慌てていろいろ喋りだした

凄く可愛い

「ぇあ!?いえいえ大丈夫です！

私、音羽歌苗っていいます！」

『あなたが響吾さんの娘さん…！』

そういえば響吾さんが歌苗って名前の娘がいるって言ってた

全然似てないけど……髪の色が同じなのかな？

「お父さんを知ってるんですか!?」

急に大声を出した歌苗さん

『ええ、昔いろいろありまして…』

「いろいろって…？」

『後で詳しくお話しします…あ、ここがシャワールームですか？』

気が付くとシャワールームに着いていた

中ではもじゃもじゃの髪をした人がお風呂を掃除してた

歌苗さんがその人に声を掛けると、その人はこちらを向いた

確かこの人は…

「シューさん、掃除中すみません！

シャワー使わせてもらってもいいですか？」

…そうだ、この人はいつの間にかいなくなってたクラシカロイド、シューベルト

こんな所にいたなんて…

「ええ、はい、構いませんが…

どなたですか？その人」

「Aさんです

後でモツが全部説明してくれるらしいです」

「モーツァルトが、ですか…？」

…………分かりました、今流すので少し待っていて下さい」

少し、いや凄く不服そう、モツ君のことが嫌いなのかな

でも私には優しそうな笑みを向けてくれた

しばらくすると

「お待たせしました、どうぞ」

と、もう素晴らしい笑顔で言い、浴室を出ていった

「Aさん、服ここに置いておくので着てくださいね」

『ありがとうございます』

「いえいえ！ではごゆっくり〜」

と、何故か凄くご機嫌な顔で出ていった歌苗さん

この屋敷の人、凄く親切な人ばっかり＿＿！

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