6.放課後の話 ページ7
改めて言われると今まで気にしないでいようとしたものがいっきに溢れだした。
そもそも僕と兄さん達の共通点とは何なのか。
同じ空気を吸って同じ空間で過ごしているだけなのではないのか。
そもそも母から本当に産まれたという保証がない。
物心ついたときには当たり前のように家族がそこにはいたのだから
小さい頃から『Aくんだけは七つ子なのにどうして似てないの?』などと疑問をぶつけられてきた
その度に悩んだりして母に尋ねても母は笑いながら『貴方はあの子達の兄弟よ』としか返してくれなかった
もし、僕が松野Aじゃないんだとしたら
もし、僕が松野家の血が流れていないんだとしたら
.
.
.
僕はいったいだれなんだろう
.
「…い!!」
「え…っ?」
「やっと気づいたー!!」
僕の目の前で手をぶんぶんとさせている十四松兄さんがいた
「もう、Aどうしたのー??」
「さっきから、ボーッとして!!悩みごと??」
小首を傾げて聞いてくる十四松兄さん
「いや、なんでもないよ」
ヘラっと笑って返す
「そっかー!!じゃあ!!早く帰ろ!!」
「帰るって?」
「え、家にだよ!?みんな下駄箱で待ってるよ!!」
あいっ!!と元気よく僕の前に手を出してきた。
やっと現実に引き戻される
ああ、放課後だったのかと改めて実感する
十四松兄さんの差し出した手をなんだか握るのが怖くて初めて兄さんの手を無視した
え、と小さくはく十四松兄さんの顔見ることができなった
僕は
「さ、帰ろうか」
こうしか言えなかった
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雨天N(プロフ) - ユキさん» 涙が出るなんて言っていただけるなんて恐縮です。ありがとうございます!!頑張って更新致しますので楽しみにしていただけたらと思います! (2017年5月24日 21時) (レス) id: bbe978a9dc (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します!心臓がキュッてなって涙が出ましたー!!これからの展開が楽しみです!!!がんばってください! (2017年5月24日 0時) (レス) id: a5ac0accef (このIDを非表示/違反報告)
いかちゃん(プロフ) - めっちゃくっちゃ面白いです!!!!!!!!更新頑張ってください! (2016年5月23日 22時) (レス) id: a3785a8060 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 続きが楽しみっす。更新頑張って下さい! (2016年4月2日 3時) (レス) id: aec6d0ccd4 (このIDを非表示/違反報告)
雨天N(プロフ) - AYMさん» コメントありがとうございます!!頑張って更新していきたいと思うのでこれからもこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年4月2日 2時) (レス) id: bbe978a9dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨天N | 作成日時:2015年12月31日 12時