27.意気地無しの話 ページ28
｢ねぇ、一松兄さんはどう思ってるの｣
いつになく真剣な表情をしている十四松。
すぐに あ、Aのことだということが分かった
｢…別に｣
｢…別にって…｣
｢Aは僕たちの大事な兄弟なんだよ!?｣
そんなの知ってる、ずーと前から分かってる
｢…かって…分かってるよ…!!｣
今、自分がなんとも言えない情けない顔で十四松を見ているんだと感じた
嗚呼、情けない
弟一人信じてやれないなんて
これだから俺は…。
｢分かってるなら、なんで…｣
｢裏切ったのはあいつじゃんか…｣
｢え…？｣
｢あ、あいつは、俺達の心を、踏みにじったじゃん｣
｢大丈夫、兄弟なんだからって 大好きだからってそんな俺達の気持ちをたったあの一言だけで終わらせて踏みにじってった｣
｢…一松兄さん…｣
目からぽろぽろと涙が溢れ出てくる
俺には兄弟しかいないから
お腹のそこから笑いあえるのは兄弟しかいないから
だから、余計に悔しくてショックで
でもこの気持ちをどうにかすることはできなくて
昨日、あんなこと言っといて俺はなんて弱い人間なんだろうか
｢大丈夫、だって兄弟なんだよ｣
｢僕らにとってAが唯一無二の兄弟であるようにきっとAにとっても僕らは唯一無二の兄弟であることは変わりないんだから｣
十四松が袖で俺の涙を拭う
｢だから、最後までAを信じてあげようよ｣
｢…十四松……｣
いつの間に俺の弟はこんなにもたくましくなったんだろうか
｢僕達はAのお兄ちゃんなんだからっ｣
いつもの笑顔でそう言った
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雨天N(プロフ) - ユキさん» 涙が出るなんて言っていただけるなんて恐縮です。ありがとうございます!!頑張って更新致しますので楽しみにしていただけたらと思います! (2017年5月24日 21時) (
レス) id: bbe978a9dc (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 初コメ失礼します！心臓がキュッてなって涙が出ましたー！！これからの展開が楽しみです！！！がんばってください！ (2017年5月24日 0時) (レス) id: a5ac0accef (このIDを非表示/違反報告)
いかちゃん(プロフ) - めっちゃくっちゃ面白いです！！！！！！！！更新頑張ってください！ (2016年5月23日 22時) (レス) id: a3785a8060 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 続きが楽しみっす。更新頑張って下さい！ (2016年4月2日 3時) (レス) id: aec6d0ccd4 (このIDを非表示/違反報告)
雨天N(プロフ) - ＡＹＭさん» コメントありがとうございます!!頑張って更新していきたいと思うのでこれからもこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年4月2日 2時) (レス) id: bbe978a9dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨天N | 作成日時：2015年12月31日 12時
