推理ゲーム ９ ページ27
肌に突き刺さるような極寒の殺意が、まっすぐに綾辻先生へと向いた。
しかし吐き出された胸の内は、拍子抜けするぐらいまともで、温かい言葉だった。
「そうか、そうか」
綾辻先生は、うっすらと口角をあげる。感情的に怒鳴りつけた彼を、満足そうに見ていた。ゆっくりと青年の元まで向かうと、右手を頭の上にストン、と置く。
「人間の本性というものは、怒りの感情が噴き出す場所によって顕著に表れるものだ。……これは、ここまでとは、予想外だったがな」
「な、は、あ？？」
「それで、どうだ。辻村君。彼を捜査隊に加える件について、君はどう思う」
良いおもちゃを見つけた子供のように、先生は楽しそうに口角を挙げていた。私の答えはもうすでに分かっているらしい。
「……まあ、これぐらいのへっぽこで、間抜けな人だったら。一人ぐらい増えても良いですけど。悪さなんてできなさそうだし」
「なんですと！！！」
「だ、そうだ、テストは合格だ。約束通り、君を捜査隊の一員として加えよう。――辻村君」
先生は私を呼ぶと、なぜか肩をつかんでぐい、と顔を寄せてきた。吐息が近いことに驚いている暇はない。
「(鏡を持ってこい。それから、何を見ても大声を出すな)」
意味不明な指示に迷っていると、先生の眼は鋭く私を貫いた。仕方なく言われたとおりに鏡を運んでくると、怒ったのか泣きそうなのかわからない青年に向かって言った。
「囚人番号0463。君が失った記憶を思い出す時が来た。今から、
「か、……鬘、だって？ そんな、」
青年は驚いた後、震える手で髪に手を当てた。少し力を入れると、ずるりと脳天から髪がずれていく。完全に外れると、流れるような黒髪があふれた。
それから、眼帯を外し、赤い眼球に恐る恐る手を付ける。その指に、赤いコンタクトがつままれる。
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アバンギャルド・マボ(プロフ) - てんてくさん» 安室さんのファンの方ですか？！細かいところまで読んでくださってありがとうございます〜。警察庁と警視庁の違いについて勉強になりました！ 現実では法務省ですが原作では司法省だったりする世界なので、心の目で読んでください〜( ´ ▽ ` ) (2021年4月27日 18時) (
レス) id: 253e5eff26 (このIDを非表示/違反報告)
てんてく - ページ18についてなのですが……警視庁ではなく警察庁では…？公安は一応警察庁警備局警備企画課なので……間違えていたらすみません<(_ _)> (2021年4月27日 9時) (レス) id: 0e2cae39fb (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - あれまー(^_^;)。これまた、ゲキヤバ(;゜0゜)。余談、足立さん以外とドジですねー笑(^^)。 (2020年2月17日 19時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» 足立さんマフィア、やめるってよが、良い小説でしたので、こちらも、読ませていただきます♪♪。読む前から、楽しみ♪♪です〜笑(^^) (2020年2月16日 13時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - かなとさん» シャークトパス…サメ＋タコという驚異的な発想の元生まれたアメリカ映画です。頭のどこかが宇宙的な攻撃を受け、SUNチェック入ること請け合いですがぜひご覧ください！ (ストーリーの核心に触れることに反応できなくてごめんなさい) (2016年9月17日 15時) (レス) id: ee9a5e5139 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アバンギャルド・マボ | 作成日時：2016年9月5日 23時
