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スタートレック・ファンタズム《七》 ページ27

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そこで初めて 芥川は己の身に起きている状況に目がいった。


荊が喉を、激しく締め付けている。足元から荊が這い登っていた。


芥川は生命的な不安を覚え、急いで背後を振り返る。不気味な女は首をはねられて、床に転がっている。そのはずだった。



たしかに首を刎ねた。


腕を切り落とした。

一方的な殺戮が行われた様に見えた。間違いなくそのはずだった。


それではなぜ……異能者が死ねば消えるはずの、荊が消えていないのか。


―――女が姿を消した?


「あら お終い?」


−−−声が上がったのはどこだ。体が反応する前に、急いで振り返ったところで芥川の動作が終わった。


「眠りから覚めないお姫様を起こしたいのなら、魔法で閉じ込められたお名前を呼んであげるのが鉄則じゃないかしら」


荊の這う天井、異形の植物が蔓延るそれを足場にして、−−−女が立っていた。自分の生首を抱えながら。


「(首が…………無い、)」


でたらめに動く首から下の身体が、 糸で天井に括りつけられたまま、千切りとられた腕を吊り下げて貼り付いている。


「ほら、お名前。呼んであげたらどう?お友達なんでしょう」


芥川は頭が真っ白になった。 『何故』が頭を埋め尽くして何も考えられない。


「私を傷つけたのが悪いのよ。人間」


とだけ言い、無表情を歪めて笑った。


−−−そこで、芥川の意識はぶつんと途切れてしまった。

その先の記憶は、どこかで落としてしまったように、霧がかかっている。

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優しい世界《壱》→←スタートレック・ファンタズム《六》



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アバンギャルド・マボ(プロフ) - PVの方も見てくださってありがとうございます!!!いつか未来分岐のあるノベルゲーム版を書いていきたいと思っておりますので、その時は是非プレイしてやってください!! 遂行する前から読んでくださってありがとうございます…コメントめちゃくちゃ嬉しかったです… (2019年8月29日 13時) (レス) id: f747016130 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 読み込んでくださってありがとうございます(;_;) 台詞に言及してくださるのが嬉しすぎて…。 細かいことは気にしないを地で行く姿が伝わっていることが大変嬉しい!!ずるいぞお前って言いたくなるタイミングで男前を発揮する芥川が表現できててよかった!!! (2019年8月29日 13時) (レス) id: f747016130 (このIDを非表示/違反報告)
よしな。(プロフ) - あと、PV観ました。何あれすっごいですね!!音楽のセンスと文章ぴったりです!老爺ってまさか……子どもたちってまさか……と思いながら観てました笑。推敲する前から足立シリーズ好きなんですが、もっと好きになりました。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 97ebc294fb (このIDを非表示/違反報告)
よしな。(プロフ) - 不断の糸の芥川が好きすぎる。「どんな人生を歩んできたかなんて過去でしかない」って言えるのは君だけだよ……「文章だけで何を理解できる」か。これから大切なのは今であり未来だと言われてるみたいで。だからこのコンビは好きなんだ。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 97ebc294fb (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - わあああいつも有難う御座います!!この作品は初めて自分がシリアスに着手したやつなので、一番好きだといっていただける方がいるのが最高にうれしいです・・・これからもお付き合いください!!! (2019年7月28日 22時) (レス) id: 940de82038 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アバンギャルド・マボ | 作成日時:2016年10月22日 0時

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