菩提樹下の逍遥《四》【文IスIト】

読者の皆様へ作者より《2》 ページ32

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死して生きる途をたどるというようなことは、言い易くして、真に実行する ことは極めて困難であり、過去をかえりみて甚だ佃慌たる感じを禁じ得ない。

過去がなほ現在のなかに生きて居り、未来がすでに現在のなかに胎動をはじめてゐる

引用:1953年 7月「学聞をする者のよろこびと苦しみ」

↑こちらは「死して生きる途」論と呼ばれる、恒藤氏が残した詳論の一説です。

恒藤氏は京大の「法哲学」教授として、日本が軍事国家から民主主義国家に向かって行くように先導し、時に軍に対抗しました。

戦争に向かって行く日本が、大学の学問にまで思想弾圧の魔の手が及んだとき、「辞職」という形で国に対抗した際の文章です。


これだけじゃ「死して生きる途」が死の運命を見抜く能力に結びつかない！とお思いでしょうか。


あの能力は史実の恒藤氏にまつわる謎の予知に由来します。

勘が恐ろしく当たるのです。

芥川龍之介の自害を予言した、とかそういうレベルじゃなく。芥川氏自身も、彼が謎の勘を発揮することについて言及しています。



【それから、おとゝひのあさのこと、後藤君から福間さんの死をしったとき、来るべき事とハしりながら、とうとう死なれたかと気のどくであった。

「おとゝひ? ぢゃア、君のゆめにみた日ぢゃないか」と芥君がいふ。

「そうそう、不思議だね。ほんとうにあの日だ。そのなんだらう、福間さんがなくなって、いろんな通知なんか出て、僕たちが休みだっていってゐると、福間さんが元気なかほをして、黒いせびろのあたらしいのをきてやってきて、なんだ僕が死んだって、そんな事があるものか、このとほり、いきてるぢゃないか、と言ったゆめさ」

「だからさ、ミステリイがあると僕がいふんぢゃないか」と芥君がいった。】
(出典: 向陵記)


死ぬ人が夢に出てくる現象について、教え子の戦死・従兄弟の病死・芥川氏の自害・恩師の病死など、確認できるだけで4つも上がっているのです…。

こじつけだと言われればこじつけなのですが、
資料を漁っていたら謎現象が四回も出てきたときのショックがデカすぎて、【勘の良さ】が異能として適用されました。

ただ、この力は薄ら描写されることがあるぐらいで、主力は折り紙で行こうと思っています！！


綾辻先生にとっての憑物が京極であるように、
足立の憑物は育ての母なのです…。
だからあんなに言うことを聞かないのです笑笑


ここまで読んでくださり、ありがとうございました！！

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