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宵の街《壱》 ページ3




背高のっぽの建物やら、忙しなく車の行き交う大きな跳ね橋。

夜だというのに 人気や灯りの途絶えないこの港町、『ヨコハマ』であっても 一つ角を曲がれば 昔馴染みの街並みが広がっていた。

急速に進む文明開化に遅れている、といえばそれまでだが…ここらの一角の連中は 時の流れなど気にしちゃいないのだ。
如何にも気儘で平和呆けている この雰囲気は、ヨコハマの闇を牛耳る ポートマフィアの構成員。否、泣く子も黙る 五大幹部である男 中原中也には溶け込めそうにない。

しかし、中原がこれから会う人物も その業界に身を置く人物でありながら、このような呑気な街並みで暮らしている方が 似合う男だった。

仕事を持っていかなくてはならない自分の役割に、物憂げすら覚える。


この道を歩く時は、仲間に裏切り者が出た時だ。そして…あの男をまた 人殺しにさせてしまう時。


そこまで考えて中原は、大きく息を吐いた。
−−−−ひょっとすれば。これが《彼》の最期の仕事になるのだから。



『折据教室』と 達筆な字体で書かれた、古びた看板の前に立つ。
建て付けの悪い引き戸を数回叩くと、江戸風鈴の音が幽かに響いた。


.

宵の街《弐》→←とある仕置人の話



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設定タグ:芥川龍之介 , 中原中也 , 太宰治   
作品ジャンル:ミステリー
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アバンギャルド・マボ(プロフ) - ゆらりんごさん» こちらこそ、読んでくださってありがとうございました!! 自分一人だけの妄想だったものが、誰かの心に残ることができて本当に嬉しいです。これからも書き続けていきます! ありがとうございます!! (2022年6月17日 11時) (レス) id: 8937c41eea (このIDを非表示/違反報告)
ゆらりんご - 自分の中で一番好きな文字書きさんがアバンギャルド•マボさんです…!これからも応援してます!足立くんが好きすぎる…!!自分の人生に影響を与えたと言っても過言ではない…!(重たくてすみませんッ!) (2022年6月14日 23時) (レス) id: b1085cf676 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 伊織さん» 限られた文字数での返答ですので、機械的な印象を与えてしまい申し訳ない!夢主の性格描写に好感を持っていただけて嬉しいです!!このシリーズにこれからもお付き合いください(о´∀`о) (2021年8月19日 2時) (レス) id: 8937c41eea (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - 不快にさせてしまい、本当にすみませんでした。作品、とても面白かったです!!特に足立君の性格がもう最高で...!こんな人惚れる以外の選択肢ないですよもう...! (2021年8月18日 14時) (レス) id: 399c3e6058 (このIDを非表示/違反報告)
アバンギャルド・マボ(プロフ) - 伊織さん» 個人の創作物にコメントをする際は、他作の名前を出したり、比較をすることなく、ストレートに「面白かった!」だけを伝えるようにしてもらえるとハッピーな気持ちになります!! よろしくお願いします( i _ i ) (2021年5月16日 23時) (レス) id: 253e5eff26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アバンギャルド・マボ | 作成日時:2016年6月23日 21時

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