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『このお店のドーナツさ、ちょっと前に話題になってたじゃんか』
「そうだったね、俺も気になってたわ」
目当ての飲食店
テレビで話題になったのは、数ヶ月か前
それに本店ではなく支店なので、幸いあまり混んではいなかった
『わ、こんな種類あるんだ！
どうしよっかな〜』
「俺これにする」
『あ、それ気になってた！
じゃあ私こっち頼むから半分こしようよ！』
「出た女子特有の半分こ！」
『えっへへ』
店頭の看板のメニュー表を見て、お互いに頼むものを決めた
じゃあ店内に入ろうか、と背筋を伸ばすと
後ろから男女の声がした
あ、メニュー表見るの邪魔かな
そう思い、二人でメニュー表の前からずれて
店内に入った
レジには短い列が出来ていて、列の最後尾に並んだ
並んだ直後
フジが「あ」と小さく声を上げた
『…どうしたの？』
「………なんでもない」
そう言うと、フジは繋いだままの手をぎゅっと先ほどよりも力を込めた
どうしたんだろう、と思うと
背後から先程のカップルの声が聞こえた
「私これにする！キヨ君どうする？」
「あー、あ、じゃあこれにするわ」
…こんな偶然ってあるんだろうか
今、1番会いたくて
1番会いたくなかった人
恐る恐る振り返ってカップルの顔を確認してみると
『……っ』
見覚えのある女の子と
その隣に立つ背の高い男の人
キヨがいた
2人はまだ此方には気付いていないようで、レジに並ぼうと此方に近付いてきた
2人が真後ろに並ぶ
身体が硬直する
強ばり、フジと繋いだままの手に今度は自分から力を込めた
「………A
お金俺出すよ」
『……え？』
慌てて顔を上げると、もうレジは自分達の番だった
『えっ！そんな悪いよ、私の分は私が出す！』
「俺にいい顔させてよ」
そう言うと、繋いだ手を離してフジは財布から二人分のお金を出した
『あ…』
咄嗟に漏れた声は、何に対してなのか
フジに奢らせてしまった罪悪感か
それとも
温もりが消えた掌か
それでも、フジにお金を出させてしまったことに変わりはない
急いで謝った
『ごめんフジ…』
「A…？」
しかし
謝罪に返ってきた声は、フジのものでは無かった
『え…』
後方から聞こえてきた声
それは紛れも無くアイツのもので
関わらないように避けていたのに思わず振り返ってしまい
視線がかち合った
『…キヨ』
私の口はそう漏らして
視線を合わせたまま
お互い、動くことが出来なかった
続く (更新停止中)
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クロミミ(プロフ) - ばりこあさん» コメント失礼します！とっても面白くて続きがすごく気になります！もう続きを書く気がないのであればしょうがないとは思うのですが、出来れば続きを読みたいです！更新頑張っていただけると嬉しいです！ (2019年1月4日 19時) (
レス) id: 25617d98ae (このIDを非表示/違反報告)
タサヌキ(プロフ) - とてもおもしろいです！ (2018年12月15日 17時) (レス) id: 20b20dc080 (このIDを非表示/違反報告)
ばりこあ(プロフ) - Ritaさん» コメントありがとうございます！フジも置いてみました笑 これからどんどん話が拗れていくのでいっぱいドキドキしてください( *^艸^) (2018年8月6日 23時) (レス) id: 6f07478e9f (このIDを非表示/違反報告)
Rita(プロフ) - コメント失礼します…！キヨだけかと思っていたらまさかのフジで、心臓破裂しそうです・・・。こんなドキドキする小説初めてです！続き、いつでも待ってます！ (2018年8月6日 22時) (レス) id: 952a5abe4c (このIDを非表示/違反報告)
ばりこあ(プロフ) - ろんどんさん» コメントありがとうございます！めっちゃ励みになります頑張りますね(*^o^*) (2018年8月6日 15時) (レス) id: 6f07478e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばりこあ | 作成日時：2018年7月21日 23時
