ライオンの婚約者 (ページ9)

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Aは抱きしめられながらも、うーんと腕を組みながら考える

レオナとAは政略婚約

この婚約に愛などはもちろん無い

だけど本人たちはしっかりと想い合っている

ただその気持ちを相手に伝えていないだけ。主にAが

『あ、私の母は王族よ』

「ならA先輩も王族では？」

『血縁的にはね

だけど母は父に嫁いだから王族ではないの

私もよく分からないのよ。自分の一族のことは』

苦笑いしながら自分のことを話す

『そろそろ離してもらえますか？』

「……」

『え、寝た？』

静寂な保健室にスースーと寝息が響く

Aは嘘だろ…と顔をしながら、レオナの腕から離れようとするが…

レオナがグルルッと言いながら抱きしめる力が強くなる

『あんたの王様どうにかしてよ』

「アンタの婚約者でもあるでしょ」

『1万マドルでどう？』

「乗った」

ラギーと、巻き添いを食らったジャックはなんとかAを助けた

「毎度あり〜」

Aはラギーにマドルを渡し、眠りこけているレオナを見る

『お互い素直になれたら良かったですね』

レオナの髪を一掬いし、その髪に口付けをした

『ただいま〜』

「おかえり〜」

『……何コイツら。何で此処で寝てるわけ？』

寮の広間には寮生たちが大胆に寝転げていた

Aは偶にゲシっと寮生の体を蹴りながらディアンの元に行く

「マジフトが終わったもんだから皆してどんちゃん騒ぎと、今度ある期末テストの現実逃避だ」

『へぇ〜赤点さえ取らなければいい話なのにね』

「上位者様が言う言葉の重みは違うなぁ」

『あんた、何呑気にお菓子を食べてるの？

期末で赤点取ったら副寮長の座から下ろすからね』

「……へーい」