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「あなたは時期精霊王となるお方。それをよくわかっていますか？」
「…僕は精霊王になりたいわけじゃない。それに、僕よりもAの方が王としてはふさわしいよ」
「シルク！」
女王の声にシルクはビクッと肩を揺らす
「あの子は精霊ではありません！何度言えば気が済むのですか！
お前は精霊王になるの！」
「ーッ。僕には分かりません。なぜ、僕が精霊王なのですか？」
「それはお前が王族の血を引いているからで、」
「それならAだって王族の血を引いてるよ！
第一父上が精霊王になれたのも、伯母さんがその座を渡したからじゃん！
伯母さんが人間と恋に落ちなければ…僕は自由だったのに！」
その言葉にAの顔が曇る
「ハッ！…ごめんなさい」
「シルク。お前は女王と帰れ」
ディアンの言葉に頷き、二人は母国「精霊の里」に帰っていった
「大丈夫か？」
『…えぇ。もちろん
シルクはなぜあんなにも精霊王という座が嫌なのかしらね』
「さぁな。」
「精霊王」
その言葉の通り精霊の王だ。
精霊とは万物に魂が宿り、その魂が形になったものをいう。マレウスやリリアのような妖精族とは違う
精霊王の役目は主に二つ
一つは各地の万物に眠っている魂を呼び覚ますこと
もう二つは「精霊の里」と人間界を結ぶ橋の役目
精霊王がいなければ、精霊はこちらの世界には来れない。そうなると自然界の法則が崩れてしまう
精霊の里にも法律がある
その中でも一番やってはいけないこと。それは…
"人に姿を見せてはならない"
本来なら精霊は人には見えない存在
だが本人の意思で人を信頼し、自分の姿を見せる場合もある。その度に精霊は罰せられ、殺されるという残酷な悲劇が起こる
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作者名：ぽてち | 作成日時：2024年3月3日 12時
