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「こンの！アホ！！」
城にスパーン！と、ディアンがシルクの頭を叩く音が響いた
仮にも一国の王子の頭を叩くなど許されないことだが、それを許されてしまうのがディアンとA
「痛いよ！もうちょっと優しく叩いて！」
「お前みたいなわがまま王子にはこれぐらいが十分だ！」
「なんで朝日を見に行くだけで怒られなきゃいけないの！？」
「当たり前だろ！勝手に城を抜け出して、朝日を見に行くなんてありえない行動だ」
「……A〜！助けてよ〜！」
「Aに頼るな！」
Aの部屋でディアンがシルクに説教をする
シルクがAに助けを求めるが…彼女は知らないふりをしている
これも日頃の行いが悪いせいだろう
『二人ともその辺にしなよ。周りに聞こえてるから』
「……はぁ。Aはシルクに甘すぎる」
『甘くしてる覚えは無い。だってこれからシルクには天罰が下るんですもの』
Aがそう言うと、シルクは急に青ざめた顔をした
突如部屋に雷音が響く
『……ごきげんよう。精霊女王』
彼女達の目の前には、人間離れをした美しい女性が立っていた
Aとディアンは跪く
「ウチの馬鹿坊やがここにいると聞いたのだけれど」
『……あそこから逃げようとしていますけどね』
「───シルク」
女王が彼の名前を呼ぶと、急いで女王の元に行き、正座をする
「ご、ごきげんよう…母上…」
「わざわざ私がここに来た理由は言わなくてもわかっているわね？」
「も、もちろんです」
「周りの者を困らせる王子なんて聞いたことがないわ
挙句の果てに夕焼けの王族を困らせるだなんて…国王が知ったらどれだけ怒るか…あなたも想像がつくでしょう？」
「はい…」
女王の説教には誰もシルクを助けることは出来ない
自業自得だ、とAとディアンは優雅に紅茶を飲みながらそう思った
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作者名：ぽてち | 作成日時：2024年3月3日 12時
