ライオンの婚約者 (ページ15)

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『──坊ちゃーん！』

「いたか？」

『呼び掛けに応答しないってことはいないってことでしょ！』

「あ、そっか」

『そっか、じゃないわよ！』

昼休み。

Aとディアンは昼食を摂るのを忘れ、シルク・ミーラを探していた

そんな二人の姿に、「ふふふ」と笑い声を堪えようとする少年がいた

「面白いなぁ。」

『見つけましたよ』

「ぎゃあー！！」

『怪物が出たー！みたいな反応しない！』

Aは魔法でシルクを拘束し、ディアンがシルクを担ぐ

『あのですね！人を困らせてはならないとあれ程言ったでしょう！』

「それ、お前が言う？……ごめん。黙るわ」

Aがディアンを睨み、黙らせた

「だって〜みーんなつまらないんだもん

同じことの繰り返しで、スリルというか面白みがないし…」

『そんなの"人間"だからに決まってるでしょう。はぁ〜叔父さんになんて言えばいいんだか』

「あ、伯母さん元気？」

『元気元気。この前も30枚くらいの手紙が来ましたから』

「そっか〜。父上がね、伯母さんのこと気にしてたから」

『気にする以前に、もう関わりがないんですけど』

「でも家族じゃん。父上も伯母さんも、そして君と僕も」

シルクは純粋な瞳で、Aを見る

『母はもう王族じゃないので……って、寝るなぁ！！

全く！本っ当に親子揃って……！！』

Aとディアンは1年C組の教室まで眠っているシルクを送り届けた