審神者と刀剣男士の娘は巻き込まれ体質② (ページ6)

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第六話から紅の恋歌ページ6

百人一首……百人の歌人の和歌を集めた歌集

もちろん当本丸にも置いてある

「つく──…」

歌仙が陽成院が歌った「つくばねの」の札を読んだ時、Aがその下の句の札を払った

払った勢いが強すぎて、外に出てしまった

『飛ばしすぎましたね…』

「もう少し優しく払おうね」

『はい…』

立ち上がり札を取りに行くと、携帯が鳴った

『はい。』

「あ、Aさん？私たち今度京都に行くんです！もし良かったら一緒に来ませんか？」

電話の相手は園子だった。相変わらず元気な彼女に苦笑してしまう

『京都ですか…』

"京都"と聞いて、それに馴染みのある刀達が周りからぞろぞろと出てきた

刀によっては出陣の準備を済ました者までいた

『久しぶりに行ってみるのもいいですね』

「やったー！当日キャンセルとかなしですからね！」

『はいはい。わかりましたよ

えぇ…それでは』

電話を切り、周りの父親たちに言う

『出陣はありませんし、誰一人連れていきません』

そう言うと刀剣たちの気力が下がった

『全く…

歌仙父様。かるたの続きをしましょう』

歌仙はまた和歌を読み始めた

「このたびは──…」

札を読む声を遮るようにかるたを払った女性。その女性にどこか見覚えがあるのは気のせいだろうか

払った札は毛利小五郎がいる所まで飛んできた

札を取りに来た女性は上品が溢れる程の美人。小五郎はデレっとした

園子に誘われ京都に来たのは良かったものの、当の本人は風邪で寝込んでいる

「Aさん、大丈夫ですか？」

『全然。カルタの音は心地いいですから』

Aを心配する蘭

隣では小五郎や和葉が騒いでいた

「───すみません。リハの途中なんで静かにしてもらえます？」

いくらリハとはいえ、カルタは音が大事だ