料理 ページ9
Aside
『ふぅ〜』
お風呂から上がり、そろそろ体温の熱が下がり始めた頃
朝ご飯を食べていないことに気づき、キッチンへ向かいなんとなく冷蔵庫を開けてみる
そこで私はとんでもない事実を知ることになる
『ーーーーーなに、これ…?』
中には、もはや料理と言っていいのか分からない、形がぐちゃぐちゃで色が明らかに焦げや真っ黒な色をしているものが散乱していた
唯一まともな食材といえば、蟹と味の素のみ
…なんで味の素を冷蔵庫に入れてるんだろう。あれって普通に置いておいても大丈夫な物だよね?
『料理下手…』
まさか、あの器用な太宰さんに限ってないと思っていた
彼は一体、普段何を食べて生きているのだろうか
…あ、そうか太宰さんは死にたがりの人だったんだ
心の中で妙に納得しつつも、私は冷蔵庫の中にある蟹を取り出す
お米はさっき見つけたし、蟹の雑炊でもしようかなぁ…
.
太宰side
「おい糞鯖」
「なんだい蛞蝓」
明らかに機嫌が悪い中也
私は蛞蝓の顔を見ずに、とある資料を見つめながら返事をした
「Aは何処だ」
「彼女は今日から数日間休みだ。多分今は私の家で朝食をとっている頃だろう」
「手前の家…?まさか、」
「残念だね中也。私は君なんかよりも先を行っているから」
資料を読む手を止め、椅子ごと中也の方に振り返り足を組む
中也は舌打ちを零すと、私にある挑戦状を口頭で突きつけた
「Aは絶対俺のモノにする」
「そんなことはさせない。Aちゃんは一生私のモノだ。…何も無ければ」
「何も無ければ?随分弱気だな」
「私がAちゃんにフラれたら元も子もない。まぁそれでも私は彼女を追い続けるけど」
そんなことを呟く私に、中也は何か意味あり気な視線を送るが、何も言わない
私は言葉を続ける
「…もし、私が居なくなったら、彼女を傷つけたら……その時は頼むよ、中也」
「…!…ふんっ、言われなくてもそうする」
信頼する相棒だからこんなことが言える。まぁ、それは死んでも蛞蝓には教えないが
「話は終わり?なら早く出てってくれない?」
「分かったよ」
中也は片手をあげ、手をひらひらさせながら部屋を出た
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小鳥(プロフ) - ネイラさん» ありがとうございます!!!!あああめっちゃモチベーション上がります本当に嬉しいです……!!イメ画!また素晴らしい絵を描いてもらえるなんて…本当にありがとうございます!! (2018年8月4日 19時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
ネイラ(プロフ) - 完結、おめでとうございます!前作から読ませていただいておりましたが、小鳥様の小説は読みやすく、どれを読んでも面白い作品ばかりです。これからも、頑張ってくださいね。また今度、空のイメ画と夢主ちゃんと佑里ちゃん、太宰さんの絵も描きますね! (2018年8月4日 19時) (レス) id: b5a8e58859 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 「ーーします」は、次回のお話の台詞に合わせたもので、一応どの道を選択しても最後は「ーーします」となっているので……でもよくよく考えたら「ーーます」の方が短くていいですよね!書き直してきます!ご指摘ありがとうございます (2018年8月3日 7時) (レス) id: 53e4bbf2a1 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 続きが気になります!私の語彙力がないせいだと思いますけど夢主の最後のセリフがいい方だと思えないです...「ーます」だけだったらどっちだろうって考えるんですけどね (2018年8月2日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - ヤベェ……続きが検討も付かない。凄いです。ふぁっ?!ってなる程に凄いです。 (2018年8月2日 2時) (レス) id: 51ceeff2e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小鳥 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Po_Po_Po_Kotori
作成日時:2018年7月8日 17時