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C seventy-six ページ37

こじ開けたままのドアから、ゾムは下を覗き込んだ。降りたエレベーターの天井の1部に四角く穴が開いており、そこから隅に置いてあるカメラが見えた。

「んじゃ、俺が行けばええんやな?」
「…大丈夫やと思うけど…。アレで防ぎきれんかったら能力使えよな。」
「ん、了解。」

ゾムがトントンに頷いたのを確認し、ひとらんらんはそれまで服の下に隠し持っていたらしい、銃のような形状の金属の塊を渡した。一見ハンドガンのように見えるが、形が厳しくなっている。

「これがスキャナーね。で、ベストは着てるだろうし…あ、マスクは?」
「首。」

ゾムが少しだけパーカーのチャックを下げると、首に掛かった黒く頑丈そうなガスマスクが顔を出した。顔の半分を隠すガスマスクは、頭の全てを覆うものよりはスリムなものの、やはり物騒な気配は隠せない。ゾムはそれをガチャリと装着し、ひとらんらんから貰ったスキャナーを手に取った。

「使い方は大丈夫か?」
「大丈夫やって。クラレ先生んとこで何回かやったから。」

ゾムが得意げに掲げたこのスキャナー。何を隠そうクラレの作った道具である。いくらロボロとは言えども、電波の妨害されるところにある機械は処理できないのではないかという考慮のもと開発され、遠距離からでも電波を放ち、機械をハッキングできる便利品である。人間への攻撃も可能だが、発火の恐れと電池の激減が見込まれるため、過度な使用は出来ないとの事である。

トントンにマスクとベストがしっかり着用出来ているか見てもらい、ゾムはパーカーのチャックを上げた。鼓舞するかのようによし、と言い、仲間に振り返る。

「んじゃ、見てくるわ。」
「気をつけてね。」
「突撃出来るようならすぐ言ってくださいね。」

頷いたゾムは、一瞬の迷いも見せずに暗闇に飛び込んだ。エレベーターの上に音もなく着地し、するりとエレベーター内に滑り込む。開いた扉から続く通路は確かに少し霞んでおり、何らかの気体が垂れ流してある事は明らかだ。

(さて、問題の爆発物はどこかな。)

ゾムが目を凝らせば、通路の両端に怪しげな赤の点滅が見て取れた。早速スキャナーを構え、トリガーを引く。スキャナーについた小さなモニターが反応し、ハッキングを開始した。やはり爆弾であったらしい。

(全く、往生際悪い奴らやな…。)

ピピッという音とともに爆弾が無力化された。一応ということで、ガスを蔓延させている機械もきっちり特定しハッキングする。

「さて、攻略開始やな。」

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(プロフ) - 初コメです この作品ずっと見てます!!大好きです! 神作品ありがとうございます! (2022年1月14日 10時) (レス) id: 135ae75002 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 紫陽花さん» 読んでくださってありがとうございます!お客様が神様の精神でやっております^ ^いずれにしても、嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年10月23日 20時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 最近読んだんですけど神ですかね?神ですよね!本当に好きです! (2019年10月23日 19時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 鈴蓮さん» おぅっ!?鈴蓮さんありがとうございます!まさか読まれているとは…くそ長い作品にお付き合い頂き、本当にありがとうございます! (2019年10月16日 12時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蓮(プロフ) - 完結おめでとうございます!(*´∇`*) (2019年10月16日 12時) (レス) id: 4a95fce3d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽいぽい | 作成日時:2019年7月27日 20時

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