瞳にPlunderer ●3●《ars/s.o/1126》 (ページ47)

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三十分後。

私たちは車の中にいた。

助手席に座った社長はまだ不思議そうにハンドルを握る私を見ている。

「お前、運転出来たんだな」

「一応。……なんか、年明けに似たような会話しましたね」

「……そうだな」

その時を思い出しているのか社長は視線を外しながらつぶやく。

車は軽快に都内の道を走っていた。

目指すのは社長と和也さんの実家。

もしかして、社長はすでに気付いているかもしれない。

なんたって実家に向かう道だ。

誰でも途中で気が付くだろう。

「でも、なんでお前が運転してるんだ。松本はどうした」

「松本くんはちょっと別件です。翔くんと一緒にいます」

って言えば智くんは何も言わないよって翔くんに言われたんだけど……。

「そうか」

ホントだ何も言わない。

相変わらず社長は翔くんに甘いなぁ。

そういえば、昨日の話や今まで社長から聞いた話を照らし合わせるに、和也さんと血がつながってないことは分かるんだけど翔くんはどうなんだろう。

十五個違うって言ってたし、翔くんとは二人とも血のつながりがあるってことになるのかな。

そこのあたりは聞いていなかったから、どこかで社長に聞いてみようかな。

……今は止めといたほうがいいかな。

ちらりと横目に社長の様子を窺う。

社長は肘をついて窓の外を見つめていた。

不機嫌って感じはしないけど、何を考えてるんだろう。

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