空と七つの星 -03- (ページ10)

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【 Hokuto 】

桃「ねえ！ほっくん！」

「あーいや、考えとくね。」

桃乃ちゃんはそういうと、はーいと言って静かにスマホをいじりはじめた。

かと思えば、前室に誰もいなくなったタイミングで近づいてきた。

桃「ほっくん、彼女できたやろ？」

耳元でそう呟くと、俺の目を真っ直ぐに見た。

俺だって、ここで安易にAちゃんのことを話すわけにはいかない。

「いや、急になに(笑)」

精一杯に誤魔化しながら、不思議そうな顔をつくる。

伊達にドラマに出演させていただいているわけではない。

舐めてもらっちゃ困る。

ジャニーズの先輩にいつしか言われたことがあった。

『俺らの仕事は嘘をつくことじゃない。表と裏をきっちり分けることだ。』

今ならその意味がわかる気がした。

と言っても俺らSixTONESは、メディアへの露出が多く、かなり『表』の割合が高い。

桃「じゃあ、私と付き合う？」

「は？」

急な提案に、凄い勢いでリアクションしてしまった。

桃「ごめんって(笑)」

「いや、急すぎて。」

…

桃「私、北斗くんのこと好きやねん。」

しばらくの沈黙のあと、桃乃ちゃんはそう言い残し、前室を出て行った。

俺は返事をする猶予さえ与えられなかった。