夢想（Y.T） (ページ4)

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「入らないの？」

「…………！」

びくーっ。情けなく肩がはねる。
恐る恐る振り返ると、申し訳なさそうに笑う男の人。

「ごめんね？びっくりさせちゃって」
「、いえ……」
「いやね、見とれてたからさ！入んないの？」

首をかしげながら、カフェを指さす。
はい、って答えようとして、言葉に詰まる。

「初めて？ここおいしーよ」

高い声、白い歯。
ダサめなTシャツ。金髪。

サングラスがちょっとかたむけられてのぞいた、大きな目。見覚えがあるような、ないような。

「入って損はないと思うけどなあ。一緒にコーヒーでも飲む？」

ろくに返事もできないまま、おいでよ！って手を引かれる。

コーヒーのいい香り。

「あれ、ゆうやじゃん。来てくれたんすか」
「おいしかったもん。個室あいてる？」
「あいてるよ。2人？」
「うん」

え？わたしも？今度は否定ができない。

気がつけば、カフェの中、個室に案内されていた。

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